Ｍ＆Ａ仲介業界に特化した転職エージェントであるキャリアラダーを運営している筆者は、日々転職を検討されている方の疑問や不安を伺っています。今回は、事業会社からＭ＆Ａ仲介への転職について考察してみたいと思います。
M&A仲介会社の転職は以前は、ほとんどが金融機関からの転職者でした。営業する相手が、中小企業のオーナーでありM&A仲介会社と共通することや財務に関する知識を持ち合わせている人が多いことが理由として挙げられます。
しかし、市場の拡大に合わせて、金融機関だけでは採用戦略を達成できない会社が増え、現在ではさまざまな業界から未経験でM&A仲介会社へ転職してきています。
事業会社からM&A業界への転職は可能なのか？
結論から申し上げると可能です。上段でも記載の通り、以前はかなり珍しかったですが、現在は一般的になってきています。しかし、M&A仲介会社への転職難易度がかなり高いため、事業内容の理解を含めたしっかりとした準備が必要不可欠です。
事業会社出身者の強み
事業会社出身者の方は、前職に応じて専門知識を持っていることが挙げられます。金融機関出身者は、財務に関する知識や融資に関する知識は持っていますが、どこかの業界に特化した知識というのは持ち合わせていないため、差別化要素と言えると思います。
筆者の知るM&Aコンサルタントは、食品業界の専門商社に元々勤めていらっしゃった方でしたが、M&A仲介会社への転職後は、食品商社やメーカーに特化した営業活動をされ、成功されていらっしゃいます。
事業会社出身者の弱み
弱みという点では、財務や法務、労務に関する知識が乏しいことです。決算書が読めなければ流石にM&Aコンサルタントは務まりません。その上、M&Aのプロセスの中で契約書を扱うことも多いため事業会社出身者の弱みと言えるでしょう。
しかし、転職後に簿記の勉強をしたり、OJTで実際の案件を通じた勉強をしていくことでキャッチアップすることは可能ですので、諦めずに粘り強く努力を重ねていきましょう。
どんな業界が多い？事業会社からのM&A転職ランキング
M&A仲介会社に特化した転職エージェントを運営している筆者の視点で、どんな事業会社からの転職者が多いのか考察してみます。
第１位：FA会社
M&A仲介会社と同様に平均年収ランキングの上位企業である、ファナックやキーエンスのFA企業がM&A仲介会社への転職希望者が多いことで有名です。「機械を売る」営業から「会社を売る」営業へとより難易度の高い仕事へキャリアアップをしていきたい考えが働くことと、M&A仲介会社の方が稼ぎやすい環境であることが理由として挙げられると思います。
第２位：総合商社
エリートな職種の代名詞のような総合商社のキャリアを捨てて、M&A仲介会社に転職される方も多いです。銀行はお金の流れを決め、総合商社は物の流れを決めると言われているように、市場をゼロから作ったり、大きな課題を解決したりと、商社マンには経営者的な発想が求められます。M&Aコンサルタントとして成功するにも経営者的な発想が不可欠だと、筆者は考えているので、まさにセカンドキャリアとしてのM&A仲介会社はうってつけなのかと思います。
第３位：大手IT企業
リクルートやDeNA、楽天のような大手IT企業からの転職も近年増えています。職種によって違いはありますが、特に営業職の方は案外架電営業のような泥臭い営業に慣れている方も多く、M&A仲介会社の業務との親和性があるのかもしれません。
第４位：ハウスメーカー
対個人営業で難易度が高い仕事の代名詞と言えば、住宅営業ではないでしょうか。顧客に借金をしてもらい一生に一度の買い物をしてもらうには信頼関係が必要不可欠だと思います。それはM&A仲介会社の仕事も同様で、会社を譲渡したり、譲受する過程ではM&Aコンサルタントと顧客の信頼関係なしでは乗り越えられない交渉がたくさんあるからです。大手M&A仲介会社の一社である、M&Aキャピタルパートナーズの中村社長は元々ハウスメーカーの営業マンでした。
第５位：ベンチャー企業
ベンチャー企業といってもかなり色々な企業があるので一概には言えませんが、会社のブランドがない中で営業活動をし、仕事をとっていくベンチャー企業の営業マンは、かなりハードな仕事に耐えてきた人材と言えると筆者は考えています。そして、働き方としても、型にはまった仕事は少なく、会社の成長に合わせて様々な仕事に臨機応変に対応してきた経験はM&A仲介会社に転職した後でも役に立つことが多く、転職者が多いのだと思います。
M&A仲介会社への転職ならキャリアラダー
株式会社キャリアラダーはM＆A仲介会社に特化した転職エージェントです。本記事で紹介をしたＭ＆Ａ仲介会社にも幅広くM＆A仲介会社への転職活動を支援しています。業界未経験者にとって、Ｍ＆Ａ仲介業務は理解しにくい業務ではありますが、弊社ではM＆A仲介業界経験者がしっかりと業務内容について解説をし、理解を深めた上で後悔のない転職活動に望んでいただけることをお約束いたします。是非一度、以下の無料相談フォームよりお問い合わせください。
