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M&A仲介業界における中小企業診断士とは?難易度から資格を活かした業務内容まで徹底解説!

目次

中小企業診断士とは

中小企業診断士とは、中小企業がかかえている経営課題を解決するために診断をしたうえで適切な助言を行う業務です。

中小企業支援法第11条に設定されていることから経済産業省が登録します。そのため、中小企業診断士になると経済産業大臣に一定レベル以上の能力があると認められることになります。

企業の経営課題を解決するためのアドバイザーがメイン業務ですが、知識やスキルを活かして活用支援をするなど幅広く活躍できることが特徴です。

中小企業診断士は、経営の専門家として企業の経営者や経営幹部と連携し、経営戦略の策定や業績向上のための具体的な施策を提案します。また、組織の課題解決や人材育成など、多岐にわたる分野で支援を行うこともあります。

中小企業診断士は、幅広い業界や企業と関わりながら、企業の持つ潜在力を最大限に引き出し、成長を支援する役割を果たしています。そのため、経営に興味を持ち、問題解決能力やコミュニケーション能力が求められる職業です。

資格取得の難易度

中小企業診断士は他の資格を比較をしても決して難易度が低いといえず、例年合格率も低いことが特徴です。

年度合格率
2019年度30.2%
2020年度42.5%
2021年度36.4%
2022年度28.9%

参考:申込者数・受験者数・合格数の推移(一般社団法人 中小企業診断協会)

資格取得の勉強時間

中小企業診断士の試験は、1次試験に7科目あるため出題範囲が広く1,000時間は勉強する必要があるとされています。さらに、2次試験は口述試験でありアウトプットが求められます。1次試験の内容を理解していなければ、2次試験に合格するのが難しくなります。

資格取得でM&A業界に転職は可能?

未経験の状態でM&A業界に転職できる確率はかなり低いといっていいでしょう。しかし、営業成績をはじめ圧倒的な実績があるほか、財務や法務、経営、税務などにおいて専門知識や関連した資格を取得している場合は転職が有利になる場合があります。

中小企業診断士は次の7科目全てにおいて知識を持っていることが必要です。

  • 経済学・経済政策
  • 財務・会計
  • 企業経営理論
  • 運営管理
  • 経営法務
  • 経営情報システム
  • 中小企業経営・政策

そのため、M&Aにおいて必要な知識を兼ね備えていることになり、転職時においてアピール材料になります。M&A業界では、企業の統合や事業売却など、多岐にわたる取引が行われます。中小企業診断士の知識とスキルは、企業の経営状況や評価、法務など幅広い領域で求められるものです。

M&Aはビジネスにおける大きな戦略的な決定であり、リスクを最小限に抑えながら最大の成果を出すために専門家の助言が欠かせません。中小企業診断士の知識と経験は、企業の成長と安定のために不可欠な役割を果たすことができるでしょう。

中小企業診断士の資格を活用したM&A業務

M&Aにおいて、中小企業診断士の資格を活用して次のような業務に就くことができます。

  • PMI
  • 経営革新
  • 他の業務

PMI

PMI(Post Merger Integration、ポスト・マージャー・インテグレーション)とは、M&Aが成立したあとに統合するときの手順のことです。経営や業務などの統合施策を実施することによって、最大限の投資効果や統合効果につなげることが目的です。

中小企業診断士はM&Aをしたあとの統合支援コンサルティングが主な業務内容です。従業員とコミュニケーションを何度も行うことで買収した企業のグループ会社として経営理念を浸透させていきます。

また、PMIにおいては従業員の意識統一や業務プロセスの統合、情報システムの連携など、多岐にわたる課題が存在します。中小企業診断士はこれらの課題に対して経験と知識を活かし、スムーズな統合をサポートします。

統合支援の過程では、異なる企業文化の調和やコンフリクトの解消、適切なリーダーシップの確立などが重要です。中小企業診断士は経験豊富なプロフェッショナルとして、M&A後の統合段階で企業価値の最大化を図るためのアドバイスや指導を行います。

経営革新

次にM&Aで中小企業診断士が対応する業務が経営革新です。経営革新とは環境の変化に順応しつつ経営スタイルを変えていくことです。経営革新を進めることで経営を改善させることが目的であることから、中小企業診断士が求められています。

中小企業診断士はまず、自社の現状や課題を明確にした上で経営目標を設定します。市場の分析をしたうえで自社のポジションを把握してM&Aをしたあとの事業計画を策定します。

経営革新には組織の見直しや業務プロセスの最適化、新たなビジネスモデルの構築などが含まれます。中小企業診断士は経営の専門知識と経験を活かして、クライアント企業の経営革新を支援し、持続可能な成長を実現するための戦略を提案します。

経営革新の過程では、社内外のステークホルダーとのコミュニケーションや変革のリーダーシップが不可欠です。中小企業診断士はチームと協力しながら経営革新の計画立案から実行までをサポートし、企業の競争力向上を支援します。

他の業務

中小診断士はM&A時に診断やサポートをすることが主な業務内容です。そのほかにも、悩み解決に向けて執筆活動や講演活動など知識や経験を活かしてさまざまな角度でM&A業務にに取り組んでいます。