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【現役に直接取材】M&Aコンサルタントは激務?!現役M&Aコンサルタントに1日の仕事の流れをインタビュー

M&Aコンサルタントは、高い報酬とキャリアの魅力から多くのビジネスパーソンに注目される職種ですが、その実態は「激務」としても知られています。

まず、M&Aプロジェクトは非常に複雑であり、株式譲渡や事業譲渡などの細部にわたる法的、会計的な検討が必要です。

このため、コンサルタントはクライアントとのミーティング、企業のデューデリジェンス、法的書類の作成など、様々なタスクをこなさなければなりません。

平日はもちろん、土日や深夜時間にも仕事をすることが多く、特にデッドラインが迫ると一層の集中と時間を要することがあります。

また、M&A案件が成立するまでには長期間かかることが多いため、持続的な集中力と精神的な強さが求められます。実際、長時間労働や精神的ストレスから来る疲労感は避けられません。

一方で、この激務を乗り越えることで得られる経験と知識、そして成約時の達成感は他に替えがたいものがあります。大企業との直接交渉や、企業経営に深く関わる機会も多いため、非常にやりがいがあります。

しかし、自分のペースで仕事を進めるスキルと、効率的に業務をこなすための時間管理は必須です。こうしたスキルを磨くことで、激務の中にもある程度の自由度とバランスを見つけることができるのです。

今回は、激務と言われるM&Aコンサルタントの実態について、現役のM&Aコンサルタントにインタビューしてみました。

最近M&A業界の営業職からの転職が急増しています。

私自身、3年前からM&A仲介業界に特化した転職エージェントとして活動していて、あらゆる業界からの未経験での転職が非常に増えていることを実感しています。

M&A業界でも新卒採用を始めた企業も増えており、今後も業界の人気は高まっていくことでしょう。

営業職にとって、「稼げる」「社会貢献性」「レベルの高い環境」のすべてが揃っているM&A業界は、どの業界と比較しても人気が出やすくなっています。

しかし未経験での転職者が増えることによって、「離職率が高い」「激務」「キツイ」とネガティブな噂を聞く人もいるでしょう。
本記事では、その実態について未経験者でも分かる内容で作成しています。

上場企業平均年収ランキングで常に上位に位置するほどの報酬

東洋経済オンライン

M&A業界でのキャリアは、その報酬面で非常に魅力的です。

実際、上場企業の平均年収ランキングで常に上位に位置するほど、高額な報酬が期待できます。特に、大手M&A仲介会社や投資銀行におけるM&Aコンサルタントは、若干の経験ながらも高い年収を得ることができるのが特徴です。

これはキャリア初期から高い専門知識とスキルが求められるため、その対価として報酬が高く設定されるためです。この報酬の高さは、激務をこなす上での大きなモチベーションともなり得ます。

特に、成功報酬型の報酬体系を取る会社も多いため、大型のM&A案件を成約させた場合には一気に年収が跳ね上がることもあります。

インセンティブ率は10%~となっており、1件当たりの成約単価は5,000~7,000万がボリュームゾーンとなっているため、1件の成果に対して500~1,000万円ほどが年収にインパクトを与えます。このような高い報酬は、M&A業界で働く人々にとっての一つの大きな魅力となっているのは言うまでもありません。

<上場企業平均年収ランキング>

1位:M&Aキャピタルパートナーズ2,269万円
9位:ストライク1,357万円
14位:日本M&Aセンター1,243万円
https://toyokeizai.net/articles/-/511510

仕事のやりがいと課題

M&Aコンサルタントの仕事は、その激務さにもかかわらず、非常にやりがいがある職種です。

まず一つ目のやりがいは、案件が成約した際の達成感です。大型のM&A案件に成功すると、企業の未来を大きく変える瞬間に立ち会うことができ、そのプロセスを通じて得た経験は非常に価値があります。

一方で、この仕事には数多くの課題も存在します。例えば、長時間勤務や頻繁な出張、またはクライアントの厳しい要求に対応する必要があります。これらは精神的、肉体的に非常に疲労を溜める要因となり得ます。さらに、ディールが途中で破談した場合、再び一からやり直さなければならないことも少なくありません。

しかし、これらの課題を克服し成功を収めたとき、M&Aコンサルタントとしての経験はその後のキャリアにおいて大きな財産となります。挑戦的でありながらも非常にリワーディングな職業であることは間違いありません。特に、効率的な時間管理やプロジェクトマネジメント能力を身に付けることで、激務も乗り越えられるようになるのです。

ここまで、魅力や仕事内容について簡単に解説してきましたが、ここからは実際に大手M&A仲介会社に5年以上勤務されているM&Aコンサルタントとのインタビューをもとに解説していきます。

Q:1日の仕事の流れを教えてください

普通の一日としてはこういったスケジュールです。

~9:00出社
9:00~12:00顧客との面談、もしくはその準備
12:00~13:00同僚とランチ
13:00~14:00顧客との面談
14:00~17:00営業活動
17:00~資料作成等の事務作業
18:00~22:00帰社

一般的に叫ばれている激務とは遠く、9:00出社、19:00退社であることが多くなります。

日中には顧客との面談や案件の提案活動のためのコールドコールなど、顧客折衝に充てる時間が多くなり、17時以降は資料作成や翌日の準備をします。
時間ベースというよりは、仕事ベースでの勤務時間になるので退勤時間は結構ばらつきがあります。

Q:1~2年目はもっと忙しかったのではないですか?

正直、1~2年目はできることが少ないので労働時間としてはそこまで多くはありませんでした。
ただ、精神的には結構大変ですね。基本的に我々M&Aコンサルタントは売り案件を獲得しなければ、まず見込みの売上すら考えることができません。
1~2年目は見込みのお客様すら全くない状態ですから、どうにか案件化しようと必死になります。そうなると、9~18時を全て架電やDMなどの時間に充てて、18時以降で資料作成をする人もいます。

Q:そうなると、労働時間も長くなりますね…

そうですね。ただそれを続けていれば、じわじわと潜在的な売りニーズが溜まってきて3年目ぐらいからは一気に架電やDMに使う時間は減ってきます。
現在では私はほとんど架電やDMはしていないので、上記のようなスケジュールで働くことができています。

Q:案件がないと会社から言われたりしませんか?

そこはかなり自由度の高い仕事なので、それほど言われないと思っています。
1年間に1~2件しか成約できないのが一般的な業界ですので、新規のアポイントがしっかりとれていればそこまで文句は言われないかと思います。

Q:どれぐらいのアポイントや受託があれば大丈夫ですかね?

最低でも週に2件は新規のアポが必要だと思っています。
1件受託するまでには大体10件ぐらいの面談が必要ですので、月に1件は最低受託し続けるためにも週2~3件のアポイントは最低でも取りたいですね。

Q:資料作成もかなり時間がかかるのではないですか?

最初はやはり時間がかかりました。
ただ、自分なりのテンプレートが完成したらかなり早くなりましたね。
また同業種を担当するケースが増えれば、その分自分にナレッジが溜まるので調べる時間も格段に減りますね。

Q:どんな資料を作るのか簡単に教えてください

これは恐らく会社ごとに異なると思いますが、私が持って行っている資料は

●会社紹介
●成約実績
●業界分析
●業界内でのM&Aの事例
●買手の候補先
●具体的なシナジー

を整理して持って行っています。

Q:最初は何に時間がかかっていましたか?

パワポ作成ですね笑
学生時代もほとんど資料作成はしたことなかったので、最初は本当に素人が作ったようなパワポになってしまって…先輩たちのパワポをコピーさせてもらって乗り切っていました。

Q:労働時間としてはそれほど長くないと感じたのですが営業の中でも特に激務だと言われる理由は?

やはり、精神的な大変さですね。ソーシングは終わりが見えない中で泳ぎ続けているようなものです。
アポイントが取れて、受託できたとしてもそれで終わりではありません。むしろ、そこからは売手買手の双方からのプレッシャーが永遠とついてきます。無茶な要求をされることも少なくないので、精神的には常に削られていきます。
売上になると思っていた案件がブレイクすることもあり、半年以上やってきたことをまた一から始めなければいけません。

Q: 諦めて辞める人と辞めない人の違いはどこで出てきますか?

案件を持っているか持っていないかですね。案件を進めながらも常にソーシングを行ない続けることができていれば、1件ブレイクしたとしても案件が継続的に持ち続けられます。
しかし、1つに集中しすぎてしまうと1年のうちに案件が全くない時期ができてしまいます。そういったタイミングで退職をする方がほとんどかと思います。大体1年半~2年ほど経って、成約がなくて案件もなくなってしまった人はやめてしまいますね。

Q:壁を抜けたなーって思ったタイミングはありますか?

ルーティンで仕事が継続できるようになったら、安定したなと感じる様になりました。
現状やっていることをこれからも継続していけば、売上げも安定して作ることができると計算できるようになってからはかなり気持ちが楽になりました。それまでは、常に今できることを探し続けている状態でしたから。
ただ、正直今も毎年ヒリヒリしています笑

Q:1年を通して忙しい時期やそうでない時期もありますか?

それがないのが理想的です。やはり、波を作ってしまうと数字上0が続いてしまうので、精神的にもよくないと思っています。
理想としては常に案件を走らせて、2~3ヶ月に1件ペースで成約を生むことですね。

Q:外的要因として忙しいなどはありますか?

それは正直ほとんどないです。
年末年始などのどこの会社も休みになるときは案件は進まないので休みますし、個社によっては決算期に合わせての計上のために一時的に遅らせるケースはありますが。
ただ、自社の決算月などに合わせて何とか売り上げを上げよう!って気持ちになるので、無意識のうちに繁忙期や閑散期は出来てしまっているかもしれません。
後はインセンティブ支給によっても動き方を変える人もいるかもしれません。

Q:入社してよかったと思うポイントは?

そうですね。沢山ありますが、主に4つですね。

●自由度の高い働き方ができるし、仕事のやり方も自分で選べる
●ハイプレッシャーで育ったので、他の会社に行ってもやっていけそう
●今まで知らなかった世界を知ることができる
●給与が高い

かなと思います。

①自由度の高い働き方ができるし仕事のやり方も自分で選べる

1日や1週間、1ヶ月もっと言えば1年という単位での行動を自分で考えて行動することができるので、それは非常に自由度が高いと思っています。どのぐらいの架電をして、どうやって売上を上げるのかを考えるのが好きなので、そこはあっていましたね。
また、面談手法やどういった提案をするのかも1年目から自分で考えて行動できたのは非常に面白いと考えています。

②ハイプレッシャーで育ったので他の会社に行ってもやっていけそう

この仕事ほど、あらゆる方面からプレッシャーがあり続ける仕事もないだろうと考えています。求められる能力も、新卒の自分では到底手も足も出ないレベルを要求されます。そんな中で何とかしようともがいてきた経験は、どこの会社に行っても乗り越えられると思っています笑

M&A業界は、高報酬とキャリア成長の魅力がある一方で、激務や高ストレスといった現実も存在します。特に、M&Aコンサルタントは長時間労働や複雑な業務をこなすため、高い専門知識と柔軟性が求められます。しかし、その激務を乗り越えることで得られる達成感や経験は非常に価値があります。

また、最近の転職市場動向を見ても、M&A業界は成長を続けており、デジタル技術の導入や労働環境の改善が進んでいます。エージェントを利用して転職することで、非公開求人にアクセスできるなど、多くのメリットがあります。適性が合っていると判断した場合、早めに行動を開始することが、成功への第一歩となるでしょう。

最終的には、自分のキャリア目標と労働環境のバランスを考え、実際の経験者の意見も参考にすることが重要です。M&A業界の魅力と厳しさを理解し、それでも挑戦したいと思えるかどうかを自問自答することが、転職活動を進める上での重要なステップとなります。未来のキャリアを考える上で、M&A業界を選択肢に加えることは一つの有力な選択肢と言えるでしょう。

適性と向き不向き

M&A業界で成功するためには、いくつかの重要な適性が求められます。まず、高度な分析能力デューデリジェンスを徹底する注意力が必要です。企業の財務状況や市場動向を詳細に分析し、的確な判断を下すことが求められます。また、交渉力とコミュニケーション能力も不可欠です。クライアントや取引先との円滑なコミュニケーションが案件の進行に大きな影響を与えます。一方で、長時間労働やプレッシャーにも耐えられる精神的な強さも重要です。この業界での激務を乗り越えるためには、高いストレス耐性が必須となります。

向かない人は、定型業務を好むタイプや、ストレスの少ない環境で安定した仕事を求める人かもしれません。M&A業界は変化が激しく、日々新しい課題が発生するため、それに迅速に対応できるフレキシビリティも求められます。自己管理能力が高く、自発性がある人にとってはやりがいのある職場ですが、これが苦手な人にとっては厳しい環境かもしれません。

転職市場の動向

近年、M&A業界は急速な成長を遂げており、特にアジア地域においては市場が活況です。多くの企業が国内外での事業拡大を目指しているため、M&A活動が活発化しています。その結果、M&Aコンサルタントの需要も増加しており、転職市場においても優秀な人材が求められています。

特に金融機関コンサルティングファーム弁護士事務所などでのM&A関連ポジションが増加傾向にあり、経験者だけでなく、異業種からの転職も増えています。金融工学、財務分析、法務などの専門知識を持つ人材はもちろんのこと、データ分析AIを活用した新たなM&A手法に精通している人材も高く評価されています。

このような背景から、転職市場では高い競争率が見られると同時に、各企業が積極的に報酬や福利厚生を改善し、優秀な人材を確保しようとしています。このため、転職希望者にとっては、有利な条件での転職が期待できる時代と言えるでしょう。

エージェント利用のメリット

M&A業界への転職を考える際には、エージェントの利用が非常に有効です。エージェントは業界に精通しており、求人情報だけでなく、企業の文化や実際の業務内容にも詳しいため、適切なアドバイスを提供してくれます。また、履歴書や職務経歴書の作成から面接対策まで、きめ細やかなサポートを受けることができます。

さらに、エージェントを通じて非公開求人にアクセスできる点も大きなメリットです。多くのM&A仲介会社や投資銀行は、公開求人のみではなく、信頼できるエージェントにのみ情報を提供することが多いため、エージェント経由でしか得られない貴重な機会を掴むことができます。

エージェントはまた、あなたのスキルセットと企業のニーズをマッチングさせる役割も果たします。業界経験があるかどうかに関わらず、自分の強みを最大限に活かせるポジションを紹介してくれるため、効率的に転職活動を進めることができます。これにより、転職の成功率が大幅に向上します。

M&A仲介業界への転職を考えている方には、『キャリアラダー』がおすすめです。
『キャリアラダー』は、長年にわたり多くの転職成功事例を積み重ねてきた実績があり、特にM&A業界に特化したサポートが充実しています。そこで提供される情報は非常に精度が高く、転職活動をスムーズに進めるための強力なサポートとなります。

専門のキャリアアドバイザーが個別に対応してくれるため、求人情報の収集から応募書類の添削、面接対策まで、きめ細やかなサポートが受けられます。さらに、業界動向企業の内部情報など、一般では手に入らない貴重な情報も提供してもらえるため、転職活動における大きなアドバンテージとなります。

また、『キャリアラダー』は、非公開求人にもアクセスできる点が大きな魅力です。多くの企業が一流の人材を求めて非公開で求人を行っており、エージェントを通じてのみアクセス可能な案件も多数あります。そのため、キャリアアップを目指す方にとって理想的なポジションを見つけやすくなっています。

最後に、『キャリアラダー』は転職後のフォローアップも充実しており、新しい職場での適応を支援してくれます。こうした総合的なサポート体制により、安心してM&A仲介業界への転職活動を進めることができます。キャリアアップや新しい挑戦を考えている方は、ぜひ『キャリアラダー』を活用してみてください。