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新卒が知っておきたいM&A仲介会社の業務とは? 種類や FA業務との違いも解説!

  • 投稿カテゴリー:新卒向け

新卒でM&A仲介会社を志望するとき、M&A仲介業務の内容を深く理解しておく必要があります。選考において、面接官からの質問に的確な回答を返すためです。仮に理解不足で内定を獲得できたとしても、入社後にギャップを感じて離職してしまうこともあるでしょう。今回は、新卒が知っておきたいM&A仲介業務の概要や種類などを解説します。選考に臨む前に知識を整理してみてください。

M&A仲介業務とは、企業を売却したい経営者(譲渡企業)と買収したい経営者(譲受企業)を仲介して、M&Aの成立に向けて中立的に支援する仕事です。

譲渡企業と譲受企業はそれぞれ下記のような希望・悩みを抱えています。

【譲渡企業】

・引退したい

・後継者不足

・従業員の雇用を維持したい

・オーナー利益を実現したい

・取引先から理解を得られない

【譲受企業】

・新規事業を始めたい

・投資対象が見つからない

・売上規模を拡大したい

・技術力を向上したい

・シナジー効果が生じるか不安

M&A仲介業務では、譲渡企業と譲受企業のそれぞれに、このような課題の解決に向けたアドバイスを行い、M&Aを実現させます

M&A仲介業務の概要はご理解いただけたでしょうか。M&A仲介業務についてさらに理解を深めるには、業務の種類まで知る必要があります。

M&A仲介業務の種類は主に、情報収集業務、分析診断業務、マッチング業務、クロージング業務などに分けられます。

引き続き、それぞれの内容を解説します。

情報収集業務

情報収集業務は、M&Aの実施に必要な譲渡企業と譲受企業の情報を集める業務です。案件探索、ヒアリング、資料収集などの業務があります。

【案件探索】

会計事務所や大手金融機関などの提携先、セミナー、DMなどを通じて、譲渡を希望している企業と、譲受を希望している企業の情報を収集します。

【ヒアリング】

譲渡企業に対して、M&Aを検討している理由や事業内容などをヒアリングします。簡易的な企業評価やスキーム提案を実施して成約の可能性を探ります。

【資料収集】

譲渡企業と仲介契約の締結が完了したら、譲渡企業オーナーに対して各資料の開示を依頼し、案件化に必要な資料を集めます。資料の収集だけでなく、インタビューによるヒアリングも実施します。

分析診断業務

分析診断業務は、M&Aの実施が可能かどうかを判断するための業務です。企業概要書の作成、バリュエーションの実施、案件の診断といった業務があります。

【企業概要書の作成】

開示された資料や業界分析などをもとに、譲渡企業の事業内容や強み、財務状況、経営体制などを企業概要書にまとめます。

【バリュエーションの実施】

バリュエーションは、M&Aにおける買収価格の交渉基準となる株価を計算する業務です。公認会計士が協力します。算定結果は、後述するデューディリジェンスのプロセスを経て最終的に調整されるのが一般的です。

【案件の診断】

企業概要書とバリュエーションの内容にもとづき、案件を診断します。具体的には、M&Aの成約を阻むリスクやビジネス内容、マッチング方針などを確認します。

マッチング業務

マッチング業務は、M&Aの成約可能性が高い譲渡企業と譲受企業を引き合わせる業務です。譲渡企業の打診やトップ面談・現場訪問の調整などの業務があります。

【譲渡企業の打診】

譲受企業に対するヒアリング結果(買収検討企業の特徴や成長戦略など)をもとに、ノンネームシートによる譲渡企業を打診します。ノンネームシートとは、譲渡企業の匿名性を保護して作成した企業概要資料です。譲渡企業が特定される具体的な情報は記載されていません。

【トップ面談・現場訪問の調整】

譲渡企業と譲受企業の経営者が面談できる場を調整します。企業文化やM&Aのビジョンを共有してもらいます。お互いに譲歩できる点と譲歩できない点もすり合わせます。場合によっては現場見学を設けるケースも少なくありません。

クロージング業務

クロージング業務は、マッチング後にM&Aの契約を締結させるための業務です。

【基本合意契約の締結支援】

基本合意契約の締結をサポートします。なお、基本合意前に具体的な条件を詰めなければなりません。その後、M&Aの実施が決定したら基本合意書を締結し、譲渡価格やスケジュールを定める流れです。

【デューディリジェンスの実施環境整備】

デューディリジェンスの実施環境を整備します。デューディリジェンスとは、譲受企業が譲渡企業に対して、法務や税務などの観点から行う企業調査です。M&Aのリスクを回避するために必要になります。

【最終契約の締結支援】

譲渡企業と譲受企業の最終条件を調整して、最終契約の締結をサポートします。なお、基本合意には法的拘束力がない一方で、最終契約には法的拘束力があります。したがって、契約内容のミスが発生しないよう、慎重なサポートが求められます。

新卒が面接で失敗しないように把握しておきたいのが、M&A仲介業務とFA業務の違いです。

FAは、ファイナンシャル・アドバイザーの略称であり、FA業務はM&Aの助言業務を意味します。具体的には、交渉先企業の選定から契約の成立まで、M&Aに関する一連の業務過程についてアドバイスする仕事です。

M&Aをサポートするという点では、M&A仲介業務と同じ内容ですが、大きな違いがあります。

FA業務では、譲渡企業と譲受企業の両方をサポートするのではなく、譲渡企業と譲受企業のどちらか一方をサポートするのが一般的です。

顧客の利益を最大化するようにサポートできる一方で、お互いに利益を主張し合う構図になると交渉がまとまりにくくなります。

面接でM&A仲介業務とFA業務の違いを聞かれないとは限りません。また、FA業務ではなくM&A仲介業務でなければならない理由を伝えられれば、面接官に対する説得力も高まるはずです。

最低限、自分の中でM&A仲介業務とFA業務の違いを説明できるようにしておくとよいでしょう。

新卒採用でM&A仲介会社を志望するにあたって、まだM&A仲介業務に関して気になる疑問が残っている方もいるでしょう。引き続き、M&A仲介業務に関する疑問についてQ&A形式で回答します。

Q1.M&A仲介会社に入れば必ずM&A仲介業務を担当できる?

A1.基本的に、M&A仲介業務を行なう可能性が高いです。

しかし、会社によっては分業化が進んでいることもあり、売手買手どちらかを担当する場合があります。また、インサイドセールス部隊への配属や文章作成の専門部隊に配属される可能性もあります。

自分のキャリアプランをしっかりと確認して、入社しましょう。

Q2.新卒入社したらいきなりM&A仲介業務を任される?

A2.初めはアソシエイトなどの立場でOJTを受けながらM&A仲介業務の基礎を学ぶのが一般的です。

1~2年程度すると、通常の案件から難易度の高い案件なども一人で任される可能性があります。大学時代の早いうちから、M&A仲介業務の内容に興味を持って、理解を深める姿勢が重要です。

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