M&A仲介業界は、最近急成長している市場の1つです。日本の国内M&A件数は、MARR Onlineによると、2021年度は新型コロナウイルス禍にも関わらず、過去最高の件数を記録し、また今年度も過去最高水準の件数が行われる想定です。団塊の世代が事業承継を迎えるということもあり、M&A仲介業界は更に成長していく事が見込まれます。
市場の成長に伴い、M&A仲介各社は採用を積極的に行っており、弊社では上場会社から未上場会社まで幅広く採用のご相談を頂いております。
また求職者側からもM&A仲介業界は非常に人気な業界であり、社会的意義のある仕事が出来る事や、高い報酬が受け取れる事など、様々な理由で金融機関やメーカーからのセカンドキャリアとして人気が高まっています。
本記事では、M&A仲介業界への転職を検討している方へ向けて、M&A業界についての解説やM&A仲介会社の事、また転職活動におけるポイントなどを解説していきます。番外編として、新卒でのM&A仲介業界についても解説していますので、是非ご覧ください。
目次
そもそもM&A仲介業界とは?
M&A仲介業界とは、M&Aの仲介をサービス提供とする会社群の業界を指します。M&Aの仲介とは、会社や事業を譲渡したい売り手(M&A仲介業界での多くは株主=オーナーです)と会社や事業を譲受したい買い手をマッチングさせ、最後の契約締結までをサポートする仕事です。ここで注意したいのが、M&A業界には「仲介」と「FA」が大きく存在していますが、M&A仲介の場合は、両者が顧客であり間に立ってM&Aがスムーズに成立するように働きかける役割です。次のトピックでもう少し詳しく「仲介」と「FA」の違いを解説し、そして仕事内容や年収、働き方、将来性などについて解説をしていきます。
M&A仲介とFA(アドバイザリー)の違いは?
M&A仲介は売り手と買い手の両者が顧客となり、M&Aをスムーズに成約させる事が仕事となります。一方で、FAの場合は、売り手もしくは買い手の片方が顧客となり、顧客の利益(主には金額)が最大になるようにする仕事です。
従って、M&A仲介の場合は両者の主張や意見を双方調整しながらM&Aを成立させる必要があるので、コミュニケーション能力や調整力、営業力のような人間力が必要になる仕事です。FAの場合は、勿論人間力も大切ではありますが、難易度の高いバリュエーションスキルなどファイナンスに関する深い知識を求められます。
M&A仲介とFAの棲み分けとしては、案件の規模感や顧客の規模感などによって棲み分けられている場合が多いです。主にM&A仲介では、株式価値で1〜50億円、FAの場合には30億以上というケースが多いです。
M&Aコンサルタントの仕事内容は?
M&A仲介業界のM&Aコンサルタントの仕事内容は、基本的には以下の手順です。
①M&A譲渡案件のソーシング
②案件化
③候補先とのマッチング
④買収監査(DD)のアレンジメント及びサポート
⑤最終契約書の調整及び作成サポート
転職者の最初の鬼門は①M&A譲渡案件のソーシングでしょう。ここはM&A仲介各社により手法は異なりますが、基本的にはDM送付→コールドコール→面談→受託の流れです(会社によりDM送付→コールドコールまでは別の専門部隊が担当するケースもあります)。会社を譲渡するオーナーにとって、一生に一度あるかないかの大切な事業承継なので、自分に任せてもらう(受託)するために、コンサルタントは知識だけでなく人間力も必要です。また、自分の売上を上げるためにも、自分の案件を抱えていないと厳しいので、目安として入社後半年以内に3〜4件は自分の案件を持っておきたいところです。
受託後の②案件化は資料収集及びQ&Aによって、譲渡企業の説明資料(業界ではIMといったりします。IR資料のようなイメージです)を作成していきます。買い手企業はIMを見て、買収の可否を判断するので、譲渡企業の業界動向から事業内容、強み/弱み、財務内容や投資回収に関する事項をしっかりと記載する必要があります。このIMをしっかりと作成せずに、情報だけを横流しにしているとブローカーと呼ばれてしまうので注意です。
さて、案件化が完了したら候補先とのマッチング業務に入ります。マッチングはより多くの情報を持っているM&A仲介会社の腕の見せ所です。特に、大手3社は設立から長く、その間に蓄積された膨大な情報量があります。しかし、最近ではAIやインターネットを活用したマッチング手法の台頭で、情報量の差によるマッチング力の差は埋まりつつあります。しっかりと譲渡企業の課題を補ってくれる買い手企業や、シナジーのありそうな買い手企業とのマッチングをすることがとても大切です。マッチング活動では、意向表明書の受領やTOP面談等の過程を経て、ベストな会社を見つけていきます。
マッチングが完了し、本格的に交渉をスタートする1社に絞ったら、買収監査(DD)のアレンジメント及びサポートをしていきます。よく転職者の方が勘違いされているポイントなのですが、M&A仲介会社自体は買収監査を行いません。あくまで、買い手企業もしくは買い手企業がアサインしたDD専門家と譲渡企業の双方で行われるDDのサポートをするのみです。買い手企業側から膨大な質問や資料依頼が来るので、それを整理し、譲渡企業が回答しやすいように整えたり、譲渡企業側のメンタルケアをすることがとても大切です。
DDが完了したら、最終契約書の調整に入ります。主に最終契約書は株式譲渡契約書であることが一般的です(M&A仲介会社が取り扱うM&Aのスキームの大半が株式譲渡であることから)。最終契約書では、株式譲渡価格や表明保証条項、譲渡後の待遇等、様々な条項が盛り込まれる事が一般的です。特に、売り手は初めてのM&Aであることが多いので、しっかりと最終契約書の説明をし、交渉のテーブルにつけるように整えてあげましょう。また、買い手側には弁護士がついている事が多いですが、売り手側は弁護士がついていない事が多いので、コンサルタントが法務的な観点からもサポートをしてあげる局面がでてきます。
最終契約書の締結をもって、基本的にはM&Aコンサルタントの仕事は終了です。この一連の流れを半年〜1年間かけて、取り組んでいきます。
M&A仲介業界の年収は?
高年収の会社として有名なM&A仲介会社ですが、平均年収ランキングでは上位を独占しています。最も年収の高い業界として知られるM&A仲介業界ですが、なぜこのように高い年収を叩き出すことができるのでしょうか。
それは商材(案件)の単価とインセンティブ制度に秘密が隠されています。M&A仲介各社により多少異なりますが、1件のM&Aを成約させると最低でも4,000万円前後の手数料が個人の売上として計上されます。その売上に対し、20%前後(業界平均)のインセンティブが適用されるので、1件でも最低で800万円前後のインセンティブが出るという仕組みです。そこに、基本給がプラスされるので、年収はM&A案件を1件成約させることで、最低でも1,300万円前後となります(会社により異なりますので、詳しくは弊社の転職サービスにて説明いたします)。上場会社のIRを参考にすると、一人当たり平均して1〜2件の案件成約をしているので、平均年収が高くなることは納得できますね。
M&A仲介業界は激務?
転職者にとって、M&A仲介業界は激務というイメージが強いみたいです。しかし実態は自由な働き方が認められています。しかし、自由と責任はセットなので、しっかりと責任(結果)が求められる業界ではあります。
イメージとして、案件が佳境に入ったタイミングでは、大変忙しく特に入社して間もない頃は右も左もわからない状態だと思いますので、会社に泊まることもあるかもしれません。一方で、案件が忙しくないタイミングでは、19〜20時頃に帰宅することも珍しくありません。
ただ、自由なので激務に陥る人も中にはいます。それは、どんな案件でも受けてしまうタイプの人です。良い案件も悪い案件も抱えてしまいますが、どんな案件でも誠実に対応しなければならないので、すごく忙しくなります。一方で、良い案件しか受けないタイプの人は激務に陥りにくいです。しかし、良い案件しか受けないというのは、一定の経験値と選球眼が必要なので、最初は門戸を広く色々な案件に関わった方が長い目で見たら良いでしょう。
結論、成果(売上)が出ていれば、どんな働き方でも問題ないという事です。
M&A仲介業界の勤続年数は?
大手3社の平均継続年数は3年前後です。M&A仲介業界は約30年の時間をかけて、形成されてきた比較的新しい市場です。そして、ここ5年の事業承継ニーズの急拡大により、M&Aコンサルタントの採用も活発になったため、平均勤続年数3年前後というのは納得いく数字です。
昔は成果が上がらなければクビ(up or out)の文化が多少ありましたが、最近では人を育てる文化へと各社移行してきています。それは各社の拡大に伴って、少数精鋭のスタイルに限界が生じてきたためと推測されます。また、業界も成長してきたことから教育システムが整ってきている会社が増えてきたことから、成果がすぐに出なくとも、育成に時間をかける余裕が出てきたということも起因していると考えられます。
また、離職率については、正確なデータは出ておりませんが、筆者の肌感覚でいうと10人入社して1~2ヶ月で辞める人は1人、半年以内で辞める人が2人、3年以内に辞める人が3人といったところでしょうか。
M&A仲介業界の問題点は?利益相反?
M&A仲介業界は未成熟な市場である部分も多いので、問題点もまだまだあります。昨今、巷で言われているのが、利益相反問題です。
利益相反問題は、主にコンサルタントの倫理観によって引き起こされる問題として認識されており、また確かに残念ではありますが利益相反取引が行われている事例があるのは事実です。今後、この利益相反取引を是正していく必要があると思います。
ただ、利益相反問題に上がる”利益”とは主に金額面の事を指しているケースが多く、中堅中小企業のM&Aでは必ずしも金額だけがM&Aの相手先を選ぶファクターではない事も事実です。相手企業の”戦略”や社長の”人柄”や”相性”というファクターもあります。定性的な判断をする上では、FAより仲介の方がダイレクトに想いや考えが伝わるので、結果的に譲渡企業のオーナーとしては納得感のある取引が可能となります。
M&A仲介業界は登録制に?
M&A仲介業界への参入事業者の増加により、悪質もしくはクオリティの低いコンサルティングを提供し、高額な手数料を請求する事業者が増えてきたことを背景に、中小企業庁はM&A仲介業務を登録制としました(M&A支援機関登録がM&A仲介事業の業務独占ではないため、登録のない事業者でもM&A仲介サービスの提供は可能です)。
中小企業庁は、中小M&Aガイドラインを策定し、M&A仲介サービスの健全化を図っています。国として、後継者不在の問題は解決したい課題の1つであることは間違いないので、事業者の増加はプラスである一方、悪質な事業者が増えることで事業承継に後ろ向きになるオーナーが増えてしまうリスクを考慮した形になります。
M&A仲介業界の将来性は?
将来性は非常に明るいと見ています。まだまだ、事業承継の問題を抱えているオーナーが多いことや、事業承継以外のM&Aが一般的になってきたことが背景にあげられます。数年前まではM&A譲渡の理由の大半は事業承継でした。しかし、最近では若手起業家の早期イグジットや成長戦略のM&Aが増加したことで、事業承継を理由としたM&Aは全体の3〜4割になっている感覚です。米国ではIPOとM&Aの割合が1:9で圧倒的にM&Aの割合が多い状況ですが、日本ではIPO:M&A=7:3とIPOの方が多い状況です。事業承継が後押しに、M&Aという手法が一般的になったことから、米国の歴史を後追いするかのようにM&Aの比率が増えていくことが予想されています。
おすすめのM&A仲介会社は?
さて、ここまではM&A業界についての説明でしたが、いよいよM&A仲介業界でどこの会社がおすすめなのかということについて説明していきます。結論、おすすめのM&A仲介会社というのは人によって異なり、転職において何を重要視するかによって変わってきます。なので、まずは一覧を説明し、その後ランキング形式にて解説、業界地図と大手ベンチャーの比較をしていきます。M&A仲介会社への転職では、しっかりと情報を調べて自分に合った会社に進むことが最も大切です。
M&A仲介会社の一覧は?
中小企業庁によるとM&A専門業者(仲介)は全国に約650社ありますが、全てを解説するのは難しいので、積極的に採用を行っている会社や、弊社までご相談頂いている会社を中心に解説をしていこうと思います。
まず、上場大手3社は日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズ、ストライク、M&A総合研究所が挙げられます。次に上場している会社で、オンデック、名南M&Aがあります。
未上場では、fundbook、インテグループ、M&Aベストパートナーズ、M&A DXなどが転職者から人気のM&A仲介会社です。
M&A仲介会社の売上高ランキングは?
上場しているM&A仲介会社の売上高ランキングの第5位までは以下の通りです。
第1位:日本M&Aセンターホールディングス
第2位:M&Aキャピタルパートナーズ
第3位:ストライク
第4位:M&A総合研究所
第4位:名南M&A
第5位:オンデック
M&A仲介会社の年収ランキングは?
上場しているM&A仲介会社の平均年収ランキングは以下の通りです。
第1位:M&Aキャピタルパートナーズ(平均年収2,270万円)
第2位:ストライク(平均年収1,433万円)
第3位:日本M&Aセンターホールディングス(平均年収1,243万円)
M&A仲介業界の業界地図は?
M&A仲介業界の業界地図は作成方法により、多様な地図が出来上がります。今回は、インセンティブ率と会社に流入する案件数の2軸で作成しています。尚、業界地図は各専門家や在籍社員からのヒアリングを基に作成しておりますが、内容を保証するものではありません。
業界的に、インセンティブ料率が低い会社ほど会社への案件流入が期待でき、インセンティブ料率が高い会社ほど自分の力で案件を獲得する必要があります。ここは従業員が稼いだキャッシュを何に投資するか(広告費などのリード獲得のために投資をするのか、もしくは人件費に投資をするのか)で決まってくるので、そのような相関関係になる事は納得できます。
また、”インセンティブ料率が高い”=”稼ぎやすい”ではないので、ここは注意が必要です。詳しくは弊社転職サービスにてお話いたします。
M&A仲介会社の大手とベンチャーの違いは?
M&A業界でも巷で言われている大手とベンチャーの違いはあります。しかし、相対的に他業界に比べて、大手とベンチャーの違いによる働きにくさは無いと考えています。理由は業務内容は大手でもベンチャーでも大きく変わらないからです。会社選びにおいて大切なことは、大手とベンチャーという切り口で判断するのではなく、社風や目指している姿などで自分の軸にあった会社を選択することが大切です。
M&A仲介業界への転職のポイントは?
ここからは実際に転職活動においてのポイントを解説していきます。多くの求職者と面談をする中で出てきた疑問に対し、本記事では解説をしていきます。
未経験での転職は可能?
結論、未経験での転職は可能です。というのも、転職者の約8割は未経験です。しかし、M&A業務は未経験でも営業(法人が望ましい)の経験は必須であることが多いです。未経験で転職活動をし、無事内定が獲得できた後には会社から課題が出される事が多いので、その課題に取り組むことで入社までに最低限の知識を吸収できるチャンスはあります。未経験の方でも安心して転職し、結果を残せる環境は用意されています。
M&A仲介業界への転職難易度は?
M&A仲介各社によって転職の難易度は異なりますが、総じて転職難易度は高いです。理由は百戦錬磨のオーナーの懐に入り、自分にM&Aの仕事を託してもらうための営業力や人間力、案件をスムーズに進めるための論理的思考力の両輪が高い水準で求められるためです。また、最近では論理的思考力に加えてそもそもの地頭の良さを選考に考慮する会社も増えてきている印象にあります。
弊社の選考対策ではM&A仲介各社の選考の特徴や難易度、ポイントを解説していきますので、難易度は高いとはいえ、非常に高い内定率という実績を保有しています。
M&A仲介業界への転職に有利な資格は?
有利な資格は簿記2級や税理士、公認会計士が挙げられます。しかし、このような資格を持っているから内定が取りやすい、一方で資格を持っていないから内定が取りにくいという訳ではありません。実際に、転職者の中で上記のような資格を持っている人は全体の約1割前後の感覚です。
M&A仲介業界への志望動機は?
転職者(未経験者)の志望動機で最も多い理由は以下の2点です。
・事業承継問題を解決したい
・成果に見合った報酬(評価)が欲しい
注意が必要なのは単純に「後継者不在に課題間を感じた」ということでは、他の候補者との差別化が難しいです。原体験を記載する(どういう事があって、どのような気持ちになり、今後どうしたいと思っているか)ことで、自分だけの唯一無二の志望動機が出来上がります。また、単純に「成果に見合った報酬が欲しい」ということでは、多少拝金主義にも見え、かつ他の候補者との差別化が難しいです。大切な事は原体験なども交えながら、自分の頭で考えて自分の言葉で志望動機を作成することです。表面だけの志望動機はすぐに面接官に見破られて思考が浅いと判断されかねないので、なぜM&A業界に行きたいのか?というのは何度も自問自答しながら作成していきましょう。
M&A仲介業界への適正年齢は?
M&A仲介業界への転職における未経験者の適正年齢は20代後半〜30代前半です。転職者の大半がこの年齢幅に当てはまっています。しかし、あくまで適正年齢です。弊社の実績では一番若くて23歳(第二新卒)という実績もございます。特に最近では、第二新卒の優秀な證券マンや銀行員の採用に積極的に力を入れている会社が増えてきている印象です。
経験者の場合、適正年齢は特段なく、一定程度の経験があれば今のマーケットでしたら幅広い選択肢が持てそうです。
M&A仲介業界のやりがいは?
M&A仲介業界のやりがいは主に以下の3つです。
・社会の役に立っていると実感
・仕事を創り出す面白さ
・成果に応じた給与体系
ここは転職理由や志望動機と少し重複する部分でもありますが、前職で本当にこの仕事は顧客のためになっているのか?やなぜ成果を出している自分が成果を出していない人とあまり変わらない給与なのだろう?と疑問を抱いた方がM&A仲介業界に転職するケースが多いので、上記のようなやりがいが多く聞かれるのかもしれません。
転職者の主なバックグラウンドは?
主なバックグラウンドは、金融機関とメーカー(キーエンス)が大半を占めています。一昔前までは、金融機関からの転職者が9割近くいましたが、現在ではバックグラウンドが多様化し、メーカー等の有形商材の営業経験者や商社などからの転職者が増加しています。以下では銀行、証券、キーエンスから転職者が増えている理由について説明していきます。
①銀行
銀行からの転職者が増えている理由として、最も多い理由は将来への漠然とした不安です。低金利による利息収入が減少し、またネット銀行の台頭によって銀行業界は業界再編が進みつつあります。地方銀行では既に資本業務提携や合併をすることで生き残りをかけた動きが散見されています。
②証券
証券会社からの転職者が増えている理由として、最も多い理由は自身の経験を活かしてステップアップというケースです。証券会社での富裕層、会社オーナーへの営業経験がM&A仲介業界でも活かすことができます。上場株式はどこから買っても同じなので、顧客から購入してもらうには自分を売る必要がありますよね。それはM&A仲介会社でも同じで、自分を売っていく必要がありますので、その経験は必ず活かすことができると考えます。
③キーエンス
最近ではキーエンスからの転職者が急増しています。待遇や処遇はピカイチで、将来を約束されているキーエンスからの転職者が急増しているのはなぜなのでしょうか。最も多い理由は、仕事内容の退屈さです。キーエンスは会社の仕組が上手くできており、マニュアル通りに仕事をしっかりとやることが求められます。しかし、一定期間を過ぎるとマニュアル通りに仕事をこなすことに退屈さを見出し、転職を検討するようになるそうです。
そこで、最強の営業会社であるキーエンスで学んだ営業スキルを武器に、M&A仲介会社への転職が増えています。キーエンス出身者はM&A仲介会社で活躍しているケースが多いです。
M&A仲介業界に向いている人は?
M&A仲介業界は自ら仕事を取ってることのできる「営業力」、仕事量が多いタイミングもあるため「体力がある」、幅広い知識を持ってM&Aの交渉代理をする必要があるため「知的好奇心が高い」ことが向いている人だと考えられます。
これらはM&A仲介業界へ入るための最低限の要素であり、ここからM&A仲介各社によって求められる要素が異なってきます。例えば、「素直さ」や「自利利他」、「地頭」、「論理的思考力」などが挙げられます。各社が求めている要素については、弊社の選考対策において説明いたします。
M&A仲介会社との面接でよく聞かれる質問とその意図は?
M&A仲介会社の面接において、よく聞かれる質問は以下の5つです。
今の仕事の実績
意図は、仕事への取り組む姿勢やどのように努力をしてきたか、それらは再現性があってM&A仲介業界でも活かせるか?というポイントを見ています。特に、M&A仲介業界では百戦錬磨のオーナーを相手にするので、仕事への姿勢をしっかりと見られるケースが多いです。
なぜ転職したいのか?
転職したい理由によって、面接官からの見られ方が変わるので注意です。確かに、現状の不満から転職を考え始める事は多いのですが、不満だけを述べていては同じように転職した後も不満が出てきたらすぐに辞めてしまうと捉えられてしまいます。不満だけではなく、自分のキャリアプランや将来の目標や夢から転職を検討している理由を述べられるといいかもしれません。
なぜM&A仲介か?
転職する業界は多数ある中で、なぜM&A仲介か?という事を自分の言葉で伝えられることは重要です。M&Aの仕事をしていると辛いときや苦しいときが必ず訪れると思います。そこを乗り越えらえるか否かは、M&A業界で働きたい意思を明確に持っているか否かによって変わってくると考えています。また、一定期間が経つとM&Aの仕事の新鮮味が無くなってくることも事実です。そのような試練を乗り越えて、長期的に活躍しているプレイヤーは必ずM&A仲介業界で働く意義をしっかりと持っています。なので、転職者にも長い目で活躍して欲しいという想いから、この質問が来るケースが多いです。
強み/弱み
自己分析がしっかりと出来ているかを問われています。M&Aの仕事は売り手/買い手をしっかりと分析して、提案をする仕事です。自分の事も分析できていない人は、他の会社のことを分析することは難しいと判断されるケースが多いです。自分の強み、弱みをしっかりと理解した上で、更にその強みをどのようにM&A仲介の仕事で活かしていくか、その弱みをどのように克服していくかまでを考えられると良いでしょう。
逆質問
逆質問は質問力と分析力を見ています。とあるM&A仲介会社の経営者は逆質問でその人の全てがわかるというほど、逆質問では候補者間での差が付きやすい部分です。インターネットやSNSで調べてわかることを聞くなんていうことは論外です。それを理解した上で、働くイメージをし、逆質問をするようにしましょう。「特に質問が浮かばない」という人は、その会社に興味がないのだと思います。しっかり企業を調べてぶつけた質問であれば、相手には「リサーチしてきたな・興味あるな」という『定着度』の高さを伝えることが出来るでしょう。
M&A仲介業界の求人例は?
弊社ではM&A仲介業界の求人を多数取り扱っています。以下URLに一部求人を載せていますので、ご確認ください。
また公開していない求人や地域限定の求人もありますので、弊社までお問い合わせください。
参考までに各社への企業インタビューページも公開していますので、求人情報と合わせてご確認ください。
・M&A総合研究所 代表取締役CEO 佐上様 〜テクノロジーでM&A業界に革新を〜
・M&Aキャピタルパートナーズ 採用責任者伊東様〜MACPの事業内容や求める人材について〜
・銀行系M&AアドバイザリーのABNアドバイザーズ!執行役員の澤田様へ強みや特徴を取材しました!
・M&A仲介業界のマッキンゼー!? インテグループの藤井社長へ直接インタビューを実施しました!
・名南M&Aの篠田社長へ直接インタビュー!特徴や求める人物像についてお伺いしてきました!
M&A仲介業界への転職成功事例は?
ここでは一部の転職成功事例をご紹介させていただきます。
【外資系消費財メーカーからM&A仲介業界へ転職!志望理由やきっかけをインタビューしてきました!】
外資系消費財メーカーのP&Gから初めての女性M&Aコンサルタントとして、M&A総合研究所への転職を成功させています。
【未上場M&A仲介会社から上場M&A仲介会社へ!転職してからの1年間を振り返って頂きました!】
同業間での転職を成功させた方です。未上場M&A仲介から上場M&A仲介会社へ転職をし、更なる活躍をしております。
M&A仲介業界への転職を失敗に終わらせないためには?
晴れてM&A仲介業界への内定を獲得した転職者が、転職を失敗に終わらせないために必要なことをご説明いたします。内定獲得時は大きな能力の差はなかったはずですが、転職してから1年後には大きく差が開いていることなんてザラにあることです。
転職を失敗に終わらせないためのポイントは「内定後からの事前準備」、「入社後の活動」の2点です。特に「内定後からの事前準備」で基礎知識をしっかりとインプットしておくことが大切です。退職までの有給期間で、遊び暮れていてはM&A仲介会社での活躍は難しいでしょう。また「入社後の活動」においては、自分に鞭を打って、しっかりと計画通りに仕事を進めていきましょう。M&A仲介会社では他人から仕事を強要されることはないので、自分を律することが大切です。そのようにしっかりと事前準備を行って、仕事に取り組んでいればM&A業界は成長しているため、成功できる確率は非常に高いと思います。
M&A仲介からのキャリアパスは?
M&A仲介会社からのキャリアパスは年齢や実績によっても異なりますが、大きくは以下の5つです。
①M&A仲介会社への転職
②事業会社のM&A部門
③FAS
④PEファンド
⑤独立
最も多いのはやはり「M&A仲介会社への転職」です。最初は大手のM&A仲介会社で経験を積んで、その後中堅のM&A仲介会社へ管理職やマネージャーとして転職をするケースです。また、とあるM&A仲介会社ではあまり実績が出ていなかったケースでも別のM&A仲介会社に入って大活躍するというケースも散見されます。やはりご自身のスタイルに合う合わないはあるみたいですね。
次に多いのは事業会社のM&A部門への転職です。名だたる上場企業ではなく、中堅規模の上場企業や規模感の大きい未上場企業となるケースが多いです。理由は、M&A仲介会社が主に扱う案件サイズは株式価値で、数億〜数十億の案件であることが多いため、そのような案件規模を買収ターゲットとする事業会社がM&A仲介会社からのキャリアパスとなります。
そして、次に多いのは独立です。幅広い業界へのビジネスモデルの理解や培った経営者の人脈から、独立を選択する人が増えています。自分の経験した業界で、業界の課題を発見しそこを解決するために独立をするケースもあります。最近の独立傾向は、M&A業界に関係のある事業で独立をする人が多数を占めておりますが、今後は他金融業界に似て、特定の業界や業種で事業を興す人が増えてくることが予想されるでしょう。
最後に、PEファンドやFASです。ここは人数としては少ないですが、スモールキャップのPEファンドへの転職成功事例がチラホラ散見されるようになりました。また、FASへの転職では、英語力が必須となりますが、M&A仲介会社のキャリアパスとして比較的若い人材から人気を集めています。FASでは、「仲介型」ではなく「FA型」でM&A案件を担当していくため、M&A仲介会社とは違った醍醐味や楽しさを感じることができるでしょう。また、ファイナンスに関する知識については、M&A仲介会社よりFASの方が身に着けることのできる環境のため、M&A仲介会社にて上述した「最低限の」M&Aやファイナンスの知識を習得し、更にそこを深堀したい方には最適な環境だと考えます。
M&A仲介からの独立は?
M&A仲介会社から独立する人は増加傾向にあります。最も多いのは、M&A仲介会社を自ら立ち上げるパターンです。しかし、中には当社のようにM&A仲介事業に関連する事業で独立をする人や、小規模の会社を自ら買収し、自らがオーナー社長となって経営に取り組むケースも増えてきました。
しかし、なぜ最近は独立するケースが増えてきているのでしょうか。筆者が考えるに、「幅広く身に付くビジネス感覚」や「相対的に高い年収」、「M&A仲介事業の目指す方向性の違い」が挙げられると思います。
幅広く身に付くビジネス感覚とは、多種多様なビジネスモデルを目の当たりにすることができるのは勿論の事、法務、財務、労務など幅広い知識を求められる事があります。それを学んでいく事により、専門家には劣りますが、幅広い知識を一定程度の水準で習得する事が可能です。
相対的に高い年収とは、M&A仲介会社は日本の中でも随一の年収を獲得できる仕事の一つです。独立をするリスクとして、固定給が入ってこない事による生活の困窮があげられますが、M&A仲介会社で成果を上げることで、数年間無給でも生活には困らない状況を作り上げることができます。最悪のリスクを想定し、生活には困窮しない状況を作り上げる事によって、気軽に独立をしてしまう人が増えています。
M&A仲介事業の目指す方向性の違いとは、M&A仲介事業は、良くも悪くもルールやスタイルは自由であり、各社によってそれが異なってきます。例えば、報酬体系の考え方であったり、M&A仲介事業により目指す姿が各社によって異なってきます。そこで、一定程度の実力をつけたM&Aコンサルタントは、自らの考えるM&A仲介会社のあるべき姿や、理想とする報酬体系が属しているM&A仲介会社と異なったり、それが達成できる状況にない場合は、M&A仲介会社を自ら立ち上げる事でそれを成し遂げようとします。恐らく、現状ではこのケースで独立をするM&Aコンサルタントが最も多いでしょう。
(番外編)M&A仲介業界への新卒入社は?
番外編として、M&A仲介業界への新卒入社についても説明していきます。一昔前までは中途採用が一般的であったM&A仲介会社ですが、市場の成長に伴って新卒採用をスタートする会社が増えてきています。多い会社だと50名もの学生を採用する会社も出てきました。
M&A仲介業界へ新卒で入社することの魅力は、「通常20代では関わることもできないような方々と、新卒の年次から対等にビジネスができる」「通常20代では獲得できない年収水準を実現することができる」の二つが挙げられます。もちろん、親世代・祖父祖母世代の方々を相手にビジネスをすることは容易ではありませんが、やりがいと成長は圧倒的なものがあります。
弊社ではM&A業界への新卒支援も行っており、M&A総合研究所様への新卒入社を支援させて頂いた実績があります。
新卒でM&A仲介業界を志望する方は以下フォームからお問い合わせください。
M&A仲介会社でのインターンは?
最近ではM&A仲介会社で学生インターンを採用する会社も増えてきました。M&A仲介会社のインターンで学べることは、「ビジネス感覚」、「オーナーとのコミュニケーション」、「資料作成スキル」の主に3つです。
ビジネス感覚とは、多くの学生にとって、アルバイト等の経験はあるかと思いますが、M&A仲介会社でのインターンでは更に高いレベル感でビジネス感覚を養う事ができます。特に、M&Aという会社の売買が行われているシーンを目の当たりにできる事で、ビジネス感覚を養う事ができるでしょう。M&A仲介会社で働く社員は、会社オーナーを相手にしている事から、基礎知識や基礎能力が一定水準以上にある事が多いです。そのような社員と共に働く事で、ビジネス感覚を盗み、養うことができます。
オーナーとのコミュニケーションとは、インターンの業務内容は、M&A仲介会社によって異なりますが、多くの会社では譲渡企業/譲受企業への電話アプローチを業務内容の1つとして、取り入れています。普段の生活では話す事のない、会社オーナーと電話越しででも話す事で、オーナーとのコミュニケーション能力を向上させることができます。世の中には、テレアポのアルバイトで、個人と話すことのできる仕事はありますが、オーナーと直接電話で話すことのできるのは、M&A仲介会社でのインターンくらいでしょう。オーナーとコミュニケーションを円滑に取ることが出来れば、新社会人になった後も上司や取引先と、円滑なコミュニケーションを取ることができるでしょう。
資料作成スキルとは、主にM&A仲介会社では、パワーポイントやエクセルを活用して、資料を作成しています。その業務にインターンとして入ることが出来たなら、最低限の資料作成スキルが身に付くでしょう。普段、大学の授業でパワーポイントやエクセルを活用することがあるとは思いますが、会社のオーナー向けに作成する資料と大学の課題提出で作成する資料とでは、目的や作成方法、見せ方が異なってくるケースがあります。社会人として、最低限のパワーポイントやエクセルのスキルは必須になるので、就職先に関わらず、使えるスキルの1つになるでしょう。
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