『経営者の役に立つ仕事をしたい!』と思い、M&A業界を目指す方もいらっしゃるでしょう。
しかし、『実際に入社して、仕事が自分に合わなかったらどうしよう…。』と不安を抱えている方も少なくはありません。
今回は、そういった不安を解消すべく、どんな人がM&A業界に向いているのか紹介します。
目次
M&A業界にはどんな業態がある?

M&A業界は、実は大きく分けて4つの業態が存在します。
まず、これらの業態が具体的にどのような仕事をするのか簡単に紹介していきます。
M&A仲介会社
M&A仲介会社とは、会社の合併や買収などといった、M&Aを成功させるためのサポートをする会社のことです。
主な仕事内容として、買収を希望する会社と売却を希望する会社をマッチングしたり、M&Aを行う際にアドバイスをしたりして、経営者をサポートしていきます。
この他にも経営者の間に入って、価格や条件の交渉や、M&Aに必要な書類の作成を手伝うこともあります。
これらの仕事をM&A仲介会社が行うことにより、経営者が最適な取引を実現して、M&Aを成功させることができるのです。
M&A仲介会社の詳しい業務内容については、以下の記事でも紹介してますのでこちらもぜひ確認してみてください。
新卒が知っておきたいM&A仲介会社の業務とは? 種類や FA業務との違いも解説!
銀行や証券会社
銀行や証券会社も実はM&A業界に関連する業務を行っています。
M&Aの業務をメインとして行ってはいませんが、幅広いネットワークを持っているので、そのネットワークを利用して案件探しをすることがあります。
また、銀行や証券会社では、ファイナンスのサポートをする業務もあります。
他の業態ではできない業務にも携わることができるのが、銀行や証券会社の特徴です。
ファンド
ファンドは、成長が見込まれる企業へ投資をし、企業の価値が高まった後に転売をして、買収時よりさらに高い金額で売る業態のことです。
他の業態では、売却をする会社や買収をする会社のサポートをすることが目的としています。
しかし、ファンドの場合は、企業への投資も自社が直接行い、転売時も自社で行います。
すなわち、自社がM&Aの当事者になるのがファンドの最大の特徴なのです。
FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)
売却をする会社と買収をする会社の中間に入るM&A仲介とは違い、FASは、売却する会社もしくは買収する会社いずれかと契約し、サポートをする業態です。
契約した会社の利益を最大化させることが優先となっているため、場合によっては、相手側の企業に強く交渉する機会もあります。
また、FASには専門的な資格や知識を持っている方が多数いらっしゃいます。
そのため、デューデリジェンスやPMIといった、専門知識を要する業務も一貫してサポートすることもあるのが特徴です。
M&A業界に向いてる人の特徴5選

M&A業界は、どの業態も仕事量が多く、専門的な知識が必要とされます。
そのため、『ただ、仕事をやりたい。』と考えているだけの人には、正直、M&A業界で生き延びていくことは難しいのが現実です。
では、M&A業界は、どのような人が向いている業界なのでしょうか?
以下の5つの特徴が当てはまっている人ほど、M&A業界に向いていると言えます。
- コミュニケーション能力が高い人
- 勉強家な人
- 根性がある人
- マルチタスクが得意な人
- 目標が常に高い人
これら5つの特徴を持っている人がどうしてM&A業界で働くにあたって向いてると言えるのか、紹介していきます。
コミュニケーション能力が高い人
M&A業界における『コミュニケーション能力が高い人』とは、経営者の話を聞いて、悩みや要望などをしっかり汲み取り、それを自分自身で噛み砕いて、経営者にアドバイスすることができる人のことです。
M&A業界の仕事では、売却する会社と買収する会社の意見を聞いて、アドバイスをしたり、交渉したりする機会が非常に多いです。
しかし、単純に話すことが好きだったり、聞くことが好きだったりするだけでは、正直M&A業界では活躍することが難しいのが現実です。
相手の話を明確に汲み取り、自分自身で内容を理解したうえで、アドバイスを相手に伝えることが得意な人であれば、M&A業界でもきっと活躍できるでしょう。
勉強家な人
M&A業界は、売却する会社や買収する会社のことを理解するのはもちろんのこと、法務や税務、会計、ITなどの知識も理解する機会も非常にあります。
業態によっては未経験であっても就職・転職することが可能ですが、これらの知識を理解する意欲がない人だとM&A業界で働くことが難しいでしょう。
知らないことでも自ら積極的に学ぼうとする勉強家な人であれば、活躍できるのはもちろん、楽しんで仕事ができるかもしれません。
根性がある人
M&A業界の仕事は、成果を得るまで何年もかかってしまうことが大半です。
すぐに成果を得ることを求めている人がM&A業界の仕事を始めると、何年も成果を得られないことに対して、『なかなか結果が出ない…。』と思い、M&A業界での仕事を続ける意欲を失ってしまう傾向があります。
そのため、M&A業界で働くには、根性があることが大切とされています。
成果を得るまで時間がかかってしまう他、場合によっては、深夜まで仕事をすることや休日に仕事をすることもよくあることです。
いつ成果を得ることがわからない案件に対しても、投げ出さずに最後まで対応できる根性がある人であれば、M&A業界で働くことも向いているでしょう。
マルチタスクが得意な人
M&A業界の仕事は、常に何件もの案件を同時進行で行います。
そのため、優先順位をつけるなど、どの案件に対しても平等に進められるよう、仕事の進め方に工夫をしなくてはなりません。
1つの案件を終わらせてから、次の案件を進める仕事方法もあながち間違いではないのですが、マルチタスクが得意な人の方が、M&A業界での仕事はこなしやすいでしょう。
目標が常に高い人
M&A業界の仕事は、基本的に自分の裁量で進めていきます。
そのため、手を抜こうと思えば手を抜くことも簡単ですが、そうなると社内でも評価されず、報酬を得ることもできません。
『今年は◯件必ず成約したい!』などと常に高めの目標を設定している人であれば、社内でも評価され、報酬という形で結果を得ることができます。
そして、重要な仕事に携わる機会が増えたり、役職に就けたりするなど、キャリアアップも実現できるでしょう。
M&A業界に向いていない人の特徴5選

上記で紹介した通り、M&A業界に向いてる人には特徴があります。
反対に、M&A業界に向いてない人にはどのような特徴があるのでしょうか?
もしも、以下の5つの特徴に当てはまってしまっている場合、M&A業界で働いても自分が満足できる仕事ができない可能性があります。
- 他人とコミュニケーションと取ることが苦手な人
- 勉強することに苦手意識がある人
- 根性がない人
- 楽にお金を稼ぎたい人
- ワークライフバランスを重視したい人
他人とコミュニケーションを取ることが苦手な人
M&A業界では、経営者とコミュニケーションを取る機会が非常に多いです。
常に経営者と同じ目線で、M&Aのことについて考え、寄り添う必要があるので、当然ながらコミュニケーションが取れないとうまく仕事をすることができません。
経営者以外にも、法務や財務などの専門家とも連携する機会もあるので、他人とコミュニケーションを取ることに少しでも抵抗がある方は、M&A業界に仕事は向いていないでしょう。
また、いくら話すことが好きだったり、聞くことが好きだったりしても、薄い内容しか話せない人や聞いた話を理解するまで時間がかかる人はコミュニケーション能力があるとは言えません。
M&A業界への就職・転職を検討している方は、今一度自分のコミュニケーション能力について見直してみましょう。
勉強することに苦手意識がある人
M&A業界では、法務や財務、会計などの専門的な知識を取り扱う機会が非常に多いです。
そのため、いくら業界未経験で就職・転職したとしても、少しずつ知識を身につけた方が今後の仕事もやりやすくなるでしょう。
勉強することに苦手意識があっても、M&A業界に就職・転職することは可能ではありますが、勉強することが好きな人と比べてしまうと、差をつけられてしまい、評価されにくくなる可能性があります。
そうなると、『自分にはM&A業界は向いてないかもしれない。』と思い、挫折してしまうこともあり得る話です。
少しでも勉強することに苦手意識や面倒という気持ちを抱いている方は、もう一度『本当にM&A業界でやっていけそうか。』と自分と見つめ直してみてくださいね。
根性がない人
成果が得られない状態で大量のタスクをこなすことに対して、心が折れそうと思っている方には、M&A業界はおすすめできません。
M&A業界の仕事は、短期間で成果を得られるものではなく、成約するまで何年もかかってしまうことも十分にあり得ます。
そして、いつ成果が得られるかわからない案件に対して、早朝や深夜、休日にも対応することもよくある話です。
そのため、心が折れやすく根性がない人からすると、『全然成果が出ない…。』と投げやりになってしまい、M&A業界から別の業界へ転職してしまうこともしばしばあります。
『入社してすぐに成果を得られるような仕事がしたい!』と考えている方は、別の業界の営業職やコンサルタントなども視野に入れてみることをおすすめします。
楽にお金を稼ぎたい人
M&A業界の年収は非常に高く、入社2年目であっても年収1000万円以上稼いでいる人も実際にいらっしゃいます。
非常に魅力的な年収ではありますが、当然ながら簡単に稼ぐことはできません。
1つの案件だけではなく、複数の案件と同時進行を進めたり、その間でアポイントの電話をしたりなど、さまざまな仕事を行わなくてはなりません。
時には、早朝や深夜、休日にも働くこともあります。
このようなハードワークをこなしていった結果、1000万円以上の年収を稼ぐことができるのです。
そのため、『簡単な仕事をして、1000万円手に入れたい。』などといった安易な考えをしている方には、M&A業界の仕事は向いていません。
ワークライフバランスを充実させたい人
M&A業界は、早朝や深夜や休日などに経営者からM&Aにまつわる相談をされるなど、イレギュラーな時間に仕事をすることもあります。
M&Aは大きな金額のお金が動くことですので、業務時間外に連絡が来た際でもすぐに対応して、経営者と真摯に対応して成約に一歩でも近づけるようにしなくてはなりません。
このように、状況によっては、定時の間に仕事を終わらせられないこともしばしばあるのです。
しかし、近年では『仕事とプライベートのメリハリをつけたい。』『家族との時間を大切にしたい。』という考え方も増えてきています。
ワークライフバランスを大切にしたいという考え方は、非常に素晴らしいことでありますが、イレギュラーな時間での仕事が多いM&A業界では、それを実現させることが難しいでしょう。
確実にワークライフバランスを整えて、プライベートの時間を大切にしたいと考えている方は、休日出勤や残業が少ない職種を選択することをおすすめします。
【参考】大手M&A企業の求める人物像を紹介!
M&A業界にはさまざまな企業があり、どの企業にも『求める人物像』を掲げています。
求める人物像とは、企業が成長していくために必要な人物の考え方や性格、能力などを具体的に示したものです。
ここでは、上場している大手M&A企業3社の求める人物像を参考までに紹介します。
上記で紹介した、『M&A業界に向いてる人の特徴』に当てはまったうえ、これから紹介する企業の人物像に合致していたら、あなたはその企業で活躍できるかもしれません!
『M&Aキャピタルパートナーズ 株式会社』が求める人物像

M&A業界でも最大手である、M&Aキャピタルパートナーズが求める人物像は以下の通りです。
- 高い情熱
- 深い分析的思考力
- 群を抜く誠実さ
- 懐に入り込む個性
M&Aキャピタルパートナーズでは、常に仕事のことを考え、顧客と真摯に向き合える人物を求めています。
ただ経営者にアドバイスをするのではなく、兼ね備えた専門的な知識を活かしたり、分析したりして、最適なアドバイスができる人物を必要としています。
もしも、これらの人物像に合致していると感じた方は、以下の記事でM&Aキャピタルパートナーズの魅力について紹介してるので、こちらもチェックしてくださいね。
M&Aキャピタルパートナーズの魅力・強みは?!企業理解を深める!
『名南M&A 株式会社』が求める人物像

東海地区を拠点としている、名南M&Aが求める人物像は以下の通りです。
- やりがいが感じられる仕事のしたい方
- 信頼される仕事がしたい方
- 成長意欲が高い方
名南M&Aは、上記の人物像の他、経営理念として掲げられている『自利利他』の考え方に共感できる方を求めています。
M&A業界の企業の中には、自社の利益だけを重視している企業も多いですが、名南M&Aでは、まず顧客の利益を優先して考えなくてはなりません。
『顧客のことを助けたい。』と考えている方であれば、名南M&Aで活躍できるかもしれません。
『自利利他』の考えに共感し、上記の人物像にも合致している方は、以下の記事で名南M&Aの企業分析をしていますので、参考にしてみてくださいね。
【企業分析】名南M&Aへの転職は?地場に根差したM&A仲介会社!知っておくべき情報を解説!
株式会社 M&A総合研究所が求める人物像

M&A業界で急速な成長をしている、M&A総合研究所が求める人物像は以下の通りです。
- 論理的思考能力とパーソナリティ
- 熱意・バイタリティー
- カルチャーフィット
経営者の悩みや要望を汲み取り、アドバイスや提案をすることももちろん大切なことですが、M&A総合研究所では、ビジネスマンの後輩として可愛がられるような人間性を必要としています。
相手の懐に入り込むことが得意な人であれば、経営者の本心を引き出し、納得できるM&Aを成立させることができるでしょう。
また、M&A総合研究所では、自社で開発した最先端のシステムを使うなど、ITにも特化しています。
そのため、他の企業と比べても成長するスピードが早く、そのスピード感についていけるかということも重要視されています。
M&A総合研究所の求める人物像に合致してると感じた方は、以下の記事をチェックしてみて、どんな企業なのか理解を深めましょう。
【企業研究】M&A総合研究所の魅力・強みを徹底解説!企業理解を深めよう
M&A業界に就職・転職したい!求人情報の探し方
M&A業界への就職・転職を本格的に考えたら、まず希望している企業が求人情報を出しているか確認する方がほとんどでしょう。
しかし、M&A業界は、ハイエンドな業界ということもあり、表向きに求人情報を出していないのではないかと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここでは、M&A業界に就職・転職するにあたって、どんな媒体で求人情報を見つけることができるのか紹介していきます。
また、業界未経験の方や新卒の方で、M&A業界への就職・転職を考えている方は、以下の記事にも必ず目を通してくださいね。
M&A企業の公式サイトから直接応募することが可能
M&A業界の求人情報は、M&A企業の公式サイトに掲載されていることが多いです。
大抵の企業には、『採用情報』のページを設けているので、まず志望している企業の公式サイトにアクセスしましょう。
公式サイトの採用情報ページにアクセスすると、応募フォームやメールアドレスが記載されているので、そこから直接求人に応募することが可能です。
ちなみに2024年6月時点では、以下の大手M&A企業で求人情報がありますので、これから就職・転職活動をする方は、ぜひ参考にしてくださいね。
- 株式会社 NEWOLD CAPITAL
M&Aアドバイザー(未経験者・経験者・部長)/経営人材紹介事業担当者/企業評価・企業概要書担当者/戦略本部 戦略コンサルタント
- ブティックス 株式会社
M&Aコンサルタント/営業事務/企画・マーケティング/新卒採用
- 株式会社 fundbook
M&Aアドバイザー/マッチングセールス/アナリスト担当/新卒採用(総合職)
- M&Aキャピタルパートナーズ 株式会社
M&Aアドバイザー/M&A買収戦略アドバイザー/コーポレートアドバイザー/新卒採用(M&Aアドバイザー)
- 株式会社 M&Aベストパートナーズ
M&Aアドバイザー(未経験者・経験者)/新卒採用(M&Aアドバイザー・総合職・マーケティング)
- 株式会社 M&A総合研究所
M&Aアドバイザー(企業情報部・企業提携部・法人部)/新卒採用(M&Aアドバイザー)
- 名南M&A 株式会社
M&Aアドバイザー/J-Adviser
M&A業界に特化した転職エージェントを利用するのもおすすめ!
M&A業界の求人情報は、自分で探すことも可能ですが、転職エージェントを利用して求人情報を探すこともできます。
総合的な転職エージェントでもM&A業界の求人情報をもちろん揃えていますが、M&A業界に絶対就職・転職したいと決心している方は、M&A業界に特化している転職エージェントを利用することをおすすめします。
M&A業界の内定率は0.8%と言われており、どんなに高学歴で優秀な方であってもなかなか就職・転職することが難しいのが実情です。
しかし、M&A業界に特化した転職エージェントを利用することにより、企業を紹介してもらえるのはもちろんのこと、1社ごとに選考を突破するためのアドバイスなどもしてくれます。
『絶対にM&A業界に転職して、経営者のサポートをしたい!』といった熱い気持ちがある方は、最初からM&A業界に特化した転職エージェントを利用することを検討してみてください。
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書類添削や複数の面接対策はもちろんのこと、選考を突破するためのアドバイスをし、あなたがM&A業界の企業に就職・転職することを成功できるようサポートします。
『最近M&A業界に興味を持ち始めた。』という方であっても問題ございませんので、まずは気軽にご相談くださいね。
『M&A業界に向いてるかも!』という方はぜひ就職・転職を検討してみて

M&A業界は、業務の幅が非常に広く、ただ『お金を稼げる仕事がしたい。』などと、安直な理由では就職・転職することが難しい業界です。
しかし、『経営者の話を聞いて、相手が何を求めているか理解して、適切なアドバイスをしたい。』『いつ成果を得られるかわからなくても、めげないで仕事をし続けたい。』という精神を持っている方であれば、きっとM&A業界でも生き延びていけるでしょう。
そして、経験を積み上げていくことにより、必ず将来、M&A業界のプロとして活躍することができるはずです。
紹介した『M&A業界に向いてる人の特徴』に当てはまっていて、『自分ならM&A業界で働けそう!』と感じた方は、ぜひ積極的にM&A業界への就職・転職を検討してみてくださいね!
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〇履歴書・ESの添削
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就活は1人で進めるより、プロのサポートがある方が良いことは間違いありません。
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