やりがいと年収アップを目指して、多くの優秀な人材が流入しているM&A業界。ほとんどの方が未経験からの転職になっているあり、離職率や平均勤続年数が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、平均勤続年数のデータに加えて、実際にM&A仲介会社に在籍していたからこそわかる、M&A仲介会社の「人材」に関する考え方を公開します。
M&A仲介業界の平均勤続年数は3年前後!?
上場しているM&A仲介会社の平均勤続年数は下記の通りです。
会社名 | 平均勤続年数 | 従業員数 | 平均年収 | 社歴 |
日本M&Aセンター※1 | 3.5年 | 653名 | 1,243万円 | 30年 |
M&Aキャピタルパートナーズ※2 | 2.9年 | 150名 | 2,688万円 | 16年 |
ストライク※3 | 2.5年 | 191名 | 1,432万円 | 25年 |
※1.株式会社日本M&Aセンター第30期有価証券報告書より
※2.M&Aキャピタルパートナーズ株式会社第16期有価証券報告書より
※3.株式会社ストライク第25期有価証券報告書より
平均勤続年数としては、人材の出入りが激しいベンチャー企業と同じくらいの水準です。いずれのM&A仲介会社もここ数年で、数十から数百の採用を進めておりますので、平均値では3年前後という結果となりました。M&A仲介業界は約30年の時間をかけて、形成されてきた比較的新しい市場です。そして、ここ5年の事業承継ニーズの急拡大により、M&Aコンサルタントの採用も活発になったため、平均勤続年数3年前後というのは納得いく数字です。
M&A仲介会社の人材に対する考え方
M&A仲介会社というと、「高年収」「激務」などの厳しい社風という印象が先立つと思いますが、市場の拡大そして成熟を通じて各社の人材に対する考え方は変化しています。実際に大手M&A仲介会社で勤務していた経験から、その傾向を転職を検討している方にお伝えいたします。
M&A仲介会社にとって最も重要な経営資源は人材
世の中の多くの企業が、商品を仕入れ、それらをお客様に買っていただき、利益を得るという単純な仕組で経済は回っています。これは、M&A仲介会社も同様で、譲渡企業の情報を仕入れ譲受企業に提案し、M&Aが成立した場合の成功報酬をえるというものです。ここで着目するべきは、仕入れの仕方と、利益の生み出し方だと筆者は考えております。
例えば、商社であれば、世界中から商品を仕入れ、そこに数パーセントの利益を加えてお客様に買っていただくという流れです。この流れでは、仕入れる際に多くの資金が必要で、かつ商社が直接的な付加価値をつけられるわけではないため、多くの商品を売らなければ企業は儲からず、従業員にも還元できません。いわゆる薄利多売ですね。
M&A仲介会社は商品(=譲渡企業情報)の仕入れにほとんどコストがかかりません。そして、成功報酬という利益の生み出し方ですので、譲渡企業・譲受企業双方の、「会社が売れた」「いい会社が買えた」という高い付加価値に基づくものです。もちろん、M&Aが成立しなければ、成功報酬は支払われないため、ハイリスクハイリターンのビジネスであるとも考えられます。
ここまで読んでいただいた方はもうお気づきだと思いますが、M&A仲介会社では人件費の使い方が最も重要なのです。もちろん、広告費に多額を投下して、問い合わせを増やすこともできますが、大抵の場合直接問い合わせてくる方は、別の仲介会社にも相談をしており、M&Aコンサルタントが優秀でなければ、仕事を任せていただくことはできません。
社風は、Up or Out から育成志向へ
かつて、多くのM&A仲介会社は、外資系企業に言われるような「Up or Out」という社風の会社だったと思います。これは、業務の性質上向き不向きがあり、一定期間の勤務を経て向いていないと思う方は、別の会社で働いた方がいいのではないかという、考え方が蔓延っていたためと考察しています。しかし、現在ではしっかりと時間をかけて優秀なM&Aコンサルタントを育成すると言う方向性にシフトしています。(キャリアラダーからご紹介している会社様はいずれもそのような会社様であるとお考えください)
背景には、市場の拡大があります。大手M&A仲介会社が従業員数100名以下の規模であった時代には、業界として、少数の優秀なM&Aコンサルタントが安定的な売上をあげれば良いという考え方であったと思います。しかし、各社上場し長期的かつ安定的な成長を求められる中で、売上規模も100億円を超えるところが発生し、従業員も100名、200名、、、500名と拡大してきました。このように人数が増えてくると、少数の優秀なコンサルタントでよいという考えでは企業の成長に限界を迎え、未経験者の採用そして育成、数年後には一人前のM&Aコンサルタントとして独り立ちさせるという考え方にシフトしてきました。
M&A仲介会社で長く活躍できる方の特徴は?
前段で、M&A仲介会社が人材の育成に注力していることを解説しましたが、もちろん育成に資する人材か、適性はあるのか、という観点は面接の段階でしっかりと見られます。
筆者が感じる活躍できる方には以下の共通の特徴があると思います。
・向上心が高く貪欲に、学びたい、稼ぎたいという気持ちが強い方
・対人能力が高く顧客に信頼される方
・成功するか考えて動けないよりも、とりあえずやってみようというマインドを持っている方
M&A仲介会社の人気はここ数年かなり高まっているため、転職難易度は高まってきています。自らのポテンシャルをしっかりと伝えられるように面接対策はしっかりと行いましょう。
以下の記事は異業種からM&A仲介会社に転職された方の記事です。ご参考ください。
M&Aのスキルは長期的に役に立つスキルの一つです
M&Aは長期的な市場拡大が想定されており、その潜在的な市場規模は20兆円(日本M&AセンターのIR資料2022年3月期第三四半期より引用)とも言われています。経験者が少ない業界だからこそ、未経験からでも転職しやすい今のタイミングを逃さないでください。しっかりと育成をして立派なM&Aコンサルタントに育てるというポリシーを持ったM&A仲介会社に入社し、短期的でなく長期的な活躍を目指しましょう。
適切な企業選びはM&A仲介業界特化エージェント『キャリアラダー』
業界特化だからこそ、各社の特徴を熟知したアドバイザーの知見が必要です。
是非、『キャリアラダー』の転職相談を活用しましょう。
また、弊社の強みはM&A業界未経験の方を合格まで導く選考対策力です。書類作成から念入りに準備を行ない、平均30回以上の面談を通して内定・入社までサポートします。
他社エージェントを利用して、書類も通らなかった人でも書類を作り直して内定・入社したケースも多数ございます。
また、レスポンスの早さを売りにしておりますので常に転職の味方が伴走している安心感を感じていただけるかと思います。
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