M&A仲介業界に特化した転職エージェントであるキャリアラダーを運営している筆者は、日々転職を検討されている方の疑問や不安を伺っています。今回は、会計士の有資格者がM&A仲介会社へ転職されるケースについて考察してみたいと思います。
M&Aとは?
そもそもM&A(エムアンドエー)とはMerger(合併)and Acquisitions(買収)の略で、「会社もしくは経営権の取得」を意味します。上記M&Aの仲介を行うため、具体的には会社を売却、買収する両者の間に立ち、その取引を円滑に行えるようにアドバイスを行うことが主な業務内容となっております。業界としては少子高齢化を背景とした後継者不在によって、黒字にも関わらず廃業を選択する経営者も多く、その解決手段としてのM&Aが大きく注目を集めています。中小企業の出口戦略を考えた際に考えられる方法は以下の5つしかなく、株主としての利潤を獲得でき、他社と連携して事業を拡大できるM&Aは有効な出口戦略として活用されています。
親族内での承継
役員社員への承継
M&A(第三者への承継)
上場
廃業
M&Aの仕事で会計士の資格はどのように役立つのか
M&Aの仕事は、市場の拡大にM&A仲介会社の採用が追いついていない状況であるため、未経験者の採用が活発に行われています。ただし、M&Aの仕事は一朝一夕に一人前になれるわけでは無く、財務、法務、労務その他業界特有の法律や商習慣などその理由として必要な知識が幅広いことが挙げられます。
その点、会計士の資格を持ってM&Aの業界に転職される方は、財務に関するプロフェッショナルであり、会計士の資格者というだけで、顧客からの信頼も受けやすいという点では、M&Aの仕事自体は未経験であってもかなりアドバンテージがあります。
また、近年M&Aが一般的な経営戦略となりつつあるなかで、複雑なスキーム(会社分割、株式交換等)を採用する会社も出てきており、まさに会計士の資格を持っている人を求めるM&A仲介会社が増えてきています。
M&Aの業界での会計士のキャリア
M&Aの業界で会計士が活躍できるフィールドが整っていることはご理解いただけたと思います。具体的なキャリアをみていこうと思います。
M&Aコンサルタント
会計士という強みを活かした営業活動ができます。また、次に説明する2つの職種よりも稼げるという点や顧客との距離が近いという点も魅力でしょう。
M&Aコンサルタントは、財務の知識を多用するため、会計士の資格を持っていてかつ営業もできる方は、M&A仲介業界では無敵の存在とも言えるでしょう。
社内会計士
社内会計士の主な仕事は、M&Aコンサルタントの知識不足を補ったり、特殊なスキームのM&Aが行われるときに専門家としてアサインしたりという、いわばM&Aコンサルタントのフォロー役です。
会社によっては、定期的に勉強会を開いてM&Aコンサルタントの知識の底上げを行っているケースもあります。
未経験で転職してくる人が多いM&Aの業界において欠かせない存在です。
CFO
現在M&A仲介会社は上場を目指す会社が多く、すでに上場準備に入っていると言われるM&A仲介会社は多く存在しています。また、上場してからも会社の社会的な信頼を損なわないために優秀な管理部門の構築をすることは必須であり、その責任者としてのCFOのポジションは会社の運営上極めて重要です。
絶対的な求人数は多くはありませんが、公認会計士として業界の成長が著しいM&A仲介業界へ転職されることはCFOとしてキャリアを作りたい方にとって有意義です。
M&Aコンサルタントへ会計士の方が転職する際の注意点
前段で会計士の方は財務に関する知識のプロフェッショナルであるため、アドバンテージが大きいことを説明してきました。しかし、一つ注意点があります。
それは、多くのM&A仲介会社が扱っている案件は、中小企業同士のM&Aであり、上場会社の監査に従事されてきた、会計士の方が持っている知識と求められる知識には少し乖離があるということです。
例えば、会計士の方であればあまり触れることのない、個人に関する税務であるとか、中小企業特有の税制、そして会計基準などは、長く上場会社の監査に従事してきた方はすでに忘れてしまっていることもあると思いますので、学び直されることをおすすめしています。
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