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【2024年7月決算分析】上場大手M&A仲介企業4社を徹底解説|売上/利益/採用数をランキング形式で比較

こんにちは!M&A仲介業界に興味がある皆さん、または転職を考えているあなたに向けて、2024年7月30日に発表された上場大手M&A仲介企業4社の最新決算を徹底解説します。

この記事では、各企業の売上高、営業利益、成約数、採用数など、重要な業績指標をランキング形式で比較し、どの企業がどんなパフォーマンスを発揮しているのかをわかりやすく紹介します。

「どの企業が今注目されているのか?」、「成績の良い会社はどこか?」など、気になるポイントがすぐにわかるようにまとめています。転職や就活を考えている方には、自分に合った企業選びに役立つ情報が満載です。

まずは、最近のM&A仲介業界全体のトレンドと展望を見ていきましょう。

M&A業界は現在、事業承継デジタルトランスフォーメーション(DX)が主要なトレンドとなっています。後継者不足が深刻な中小企業が増える一方、DXの推進によるIT関連企業のM&Aも注目されています。さらに、業界再編の動きやスモールM&Aの増加も見られ、これらが業界全体の成長を牽引しています。

今後の展望としては、これらの要因が引き続き業界を成長させると考えられます。

市場規模の現状と動向

2023年の国内M&A市場は、前年と比較して堅調な成長を見せています。特に事業承継M&Aの増加が顕著で、後継者不足に悩む企業が多い中、このトレンドは今後も続くでしょう。また、IT企業の買収も増加しており、デジタル化やDX化が進む中でのM&Aが市場を支えています。これらの動向が市場規模を拡大させ、さらなる成長が見込まれます。

●M&Aの拡大と上場市場の関係
日本では後継者不足が企業経営の大きな課題となっていますが、M&A市場の成長がその解決策として注目されています。コロナ禍の影響で2020年には市場が縮小しましたが、2023年には新規上場企業が96社と前年から微増しました。これは円安やデフレからの脱却、米国の金利政策変更、海外からの日本株の評価見直しなどが影響しています。

●デジタル変革(DX)を目指すM&Aの増加
近年、デジタル化を推進するためのM&Aが増えています。特に中小企業ではIT人材の不足が問題視されており、IT企業を買収してDX化を進める動きが顕著です。これにより、企業は効率化を図り、生産性向上を目指しています。

●事業再編によるM&Aの増加
事業再編を通じて生産性向上を図る中小企業が増えています。経済産業省の調査によれば、再編を実施した企業は生産性の改善が見られるとのこと。人手不足が続く中で、M&Aは企業の成長戦略に欠かせない手段となっています。

●スタートアップとクロスボーダーM&Aのトレンド
スタートアップのM&AやクロスボーダーM&Aが増加しています。特にアジア地域ではM&A活動が活発化しており、日本企業も海外展開を視野に入れる必要があります。スモールM&Aも注目されており、ネット活用によって数百万円単位の小規模M&Aが成約しています。

それでは、早速2024年の7月30日に発表された四半期決算の一覧にして比較していきます。日本M&Aセンターは3月決算となっており、他社とは決算月が異なることはご了承ください。

まずは、全体の数値を確認してから比較していきましょう。

日本M&Aセンター
2025年3月期第1四半期

日本経済新聞
売上高7,638百万円
(前年同期: 8,246百万円、前年同期比: -7.4%)
営業利益 1,603百万円
(前年同期: 1,716百万円、前年同期比: -6.6%)
成約数 191件
(前年同期: 230件)
成約単価 約40.0百万円
コンサルタント数653名
(前年末: 619名)
1Q採用数34名

【総評】

●全体的に前年同期と比較すると、多少の減少傾向となっています。
●しかし、M&A仲介業界は成約のリードタイムが長いため、期ズレが発生するケースが殆どですので、この段階で業績が落ちていると判断する必要はないかと思います。
●規模感で考えると、他社と比較しても圧倒的となっています。
新規受託件数が安定して増えていることからも、通期で目標達成は期待できます。

M&A総合研究所
2024年9月期 第3四半期(累計)

売上高 12,770百万円
(前年同期: 6,330百万円、前年同期比: +101.7%)
営業利益 7,019百万円
(前年同期: 3,610百万円、前年同期比: +94.0%)
成約数187件
(前年同期: 105件、前年同期比: +78.1%)
成約単価 約68.3百万円
コンサルタント数289名
1Q採用数47名
一人当たりの売上高約44.2百万円
一人当たりの成約数約0.65件

【総評】

●これまでと変わらず、圧倒的な成長スピードを誇り、既に前年の通期売上を超えて100億円の大台を達成しています。
「御三家」と言われた日本M&Aセンター・M&Aキャピタルパートナーズ・ストライクと肩を並べたと言っても過言ではありません。
●コンサルタント数や採用数も堅調に推移しており、通期で業界2番手になる可能性が高まっています。
●また、これほど採用人数を増やして未経験者が増えているにもかかわらず利益率が落ちていないことを考えると、未経験の戦力化が上手くいっていることが伺えます。

M&Aキャピタルパートナーズ
2024年9月期 第3四半期(累計)

売上高11,516百万円
(前年同期: 15,988百万円、前年同期比: -28.6%)
営業利益2,888百万円
(前年同期: 5,813百万円、前年同期比: -50.3%)
成約数149件
(前年同期: 171件、前年同期比: -12.9%)
成約単価約77.3百万円
コンサルタント数203名
1Q採用数16名
一人当たりの売上高約56.8百万円
一人当たりの成約数約0.73件

【総評】

●昨年まで圧倒的な生産性を誇っていたからこそ、数値的に大きく減収減益となっていることを感じてしまいます。
超大型案件の収益貢献の剥落:前期の業績を押し上げた超大型案件の収益が今期には期待通りに貢献せず、業績に影響を及ぼしました。これにより、予想される売上高と利益が下方修正されることとなりました。
大型案件の成約件数の低調:第3四半期における大型案件の成約件数は増加しましたが、全体的には遅れを取り戻すには至らず、業績予想に対する進捗が遅れました。
平均単価の不達成:大型案件の平均単価が予想を下回り、業績予想単価の約103百万円には達しなかったため、全体の業績予想が引き下げられました。
●ただし、昨年までは圧倒的な業績を誇っていましたので、ここからの回復は間違いないでしょう。

2024年9月期通期連結業績予想の修正内容

【売上高】

前回発表予想22,835 百万円
修正後予想19,305 百万円
増減額△3,530 百万円
増減率△15.5%

【営業利益】

前回発表予想8,102 百万円
修正後予想6,201 百万円
増減額△1,901 百万円
増減率△23.5%

参照:https://www.ma-cp.com/pdf_files/202407301507011696245302.pdf

ストライク 2024年9月期 第3四半期(累計)

売上高13,272百万円
(前年同期: 9,132百万円、前年同期比: +45.6%)
営業利益4,986百万円
(前年同期: 2,955百万円、前年同期比: +68.9%)
成約数183件
(前年同期: 144件、前年同期比: +27.1%)
成約単価約72.6百万円
コンサルタント数249名
1Q採用数40名
一人当たりの売上高約53.3百万円
一人当たりの成約数 約0.73件

【総評】

御三家の中では最も前年比からの伸びを達成し、順調に成長を続けています。
●1Qでの採用数も日本M&Aセンターよりも確保しており、今後も継続して成長することが考えられます。
スタートアップのM&Aにも力を入れており、今後の業績に注目です。
●また、M&A総合研究所と通期での売上高でどちらが2番手につくのかも気になります。

次に、項目ごとにランキング形式で見ていきましょう。

売上高ランキング

社名売上高前年同期比
1位:ストライク13,272百万円+45.6%
2位:M&A総合研究所12,770百万円+101.7%
3位:M&Aキャピタルパートナーズ11,516百万円 -28.6%

※日本M&Aセンターは決算月が異なるため除外

【注目ポイント】
●M&A総合研究所が今期でついに業界2番手まで駆け上がることができるのかに大注目です。

営業利益ランキング

社名営業利益前年同期比
1位:M&A総合研究所7,019百万円+94.0%
2位:ストライク4,986百万円+68.9%
3位:M&Aキャピタルパートナーズ 2,888百万円-50.3%

※日本M&Aセンターは決算月が異なるため除外

【注目ポイント】
●売上高ではストライク社が優っていたものの、ここでは大きくM&A総合研究所が上回っています。業務効率化による利益率の高さが伺えます。

営業利益率ランキング

社名営業利益率
1位:M&A総合研究所55.0%
2位:ストライク37.5%
3位:M&Aキャピタルパートナーズ25.1%

※日本M&Aセンターは決算月が異なるため除外

【注目ポイント】
●同じ業界にもかかわらず、大きく差が出ていますね。

成約数ランキング

社名成約数前年同期比
1位:M&A総合研究所 187件+78.1%
2位:ストライク183件+27.1%
3位:M&Aキャピタルパートナーズ149件-12.9%

※日本M&Aセンターは決算月が異なるため除外

【注目ポイント】
●前年からの伸び率が最も高いM&A総合研究所が1位となっています。

成約単価ランキング

社名成約単価
1位:M&Aキャピタルパートナーズ約77.3百万円
2位:ストライク約72.6百万円
3位:M&A総合研究所約68.3百万円
4位:日本M&Aセンター約40.0百万円

【注目ポイント】
●大型案件・成約単価と言えばM&Aキャピタルパートナーズです。昨年が1億以上の成約単価となっていただけに、業績全体に大きな影響を与えています。
●日本M&Aセンターは売りと買いで別れての計上になっているため、2倍にすると1位の成績となります。

コンサルタント数ランキング

社名コンサルタント数前年同期比
1位:日本M&Aセンター653名+5.5%
2位:M&A総合研究所289名+87.7%
3位:ストライク249名+27.0%
4位:M&Aキャピタルパートナーズ203名+14.7%

【注目ポイント】
●コンサルタント数は日本M&Aセンターが圧倒的な人数となっています。
●M&A総合研究所のコンサルタント数の増加率をみると、今後も売上げが上がり続けることが予想されます。

1Q採用数ランキング

26卒インターン開催
社名1Q採用数
1位:M&A総合研究所47名
2位:ストライク40名
3位:日本M&Aセンター34名
4位:M&Aキャピタルパートナーズ 16名

【注目ポイント】
●M&A総合研究所やストライクが業界最大手の日本M&Aセンターよりも採用数を確保しており、今後の業界内での競争に注目です。

一人当たりの売上高ランキング

社名一人当たりの売上高前年同期比
1位:ストライク 約53.3百万円+14.5%
2位:M&Aキャピタルパートナーズ約56.8百万円-37.1%
3位:M&A総合研究所 約44.2百万円+7.6%

※日本M&Aセンターは決算月が異なるため除外

【注目ポイント】
●作戦の1人当たりの売上高が1億円以上だったM&Aキャピタルパートナーズがこれからどれぐらい巻き返すことができるのかに注目です。
●M&Aコンサルタントが一人前になるまでは数年を要するため、採用数の多いM&A総合研究所の指標は低くなりやすくなっています。

一人当たりの成約数ランキング

社名一人当たりの成約数前年同期比
1位:ストライク約0.73件 ±0.0%
2位:M&Aキャピタルパートナーズ約0.73件-25.3%
3位:M&A総合研究所約0.65件-4.4%

※日本M&Aセンターは決算月が異なるため除外

【注目ポイント】
●M&Aコンサルタントが一人前になるまでは数年を要するため、採用数の多いM&A総合研究所の指標は低くなりやすくなっています。

M&A仲介会社の年収をランキング形式で徹底解説▼

M&A仲介会社の売上高をランキング形式で徹底解説▼

2024年7月30日に発表された上場大手M&A仲介企業4社の決算内容を以下にまとめます。

日本M&Aセンターは、売上高が前年同期比で7.4%減少し、営業利益も6.6%減少しました。成約数は前年同期比で減少していますが、コンサルタント数は増加しており、長期的な成長が期待されます。

M&Aキャピタルパートナーズは、超大型案件の収益貢献が期待外れとなり、売上高と営業利益が大幅に下方修正されました。修正後の売上高は19,305百万円、営業利益は6,201百万円で、それぞれ前年予想から15.5%、23.5%の減少です。

M&A総合研究所は、前年同期比で売上高が101.7%増、営業利益が94.0%増驚異的な成長を遂げています。成約数や採用数も堅調に推移し、業界内での位置を大きく向上させました。

ストライクも順調に成長を維持しており、売上高は前年同期比45.6%増です。成約数や採用数の増加により、今後の業績にも期待が持てます。

これらの業績から、業界全体の動向や各企業の競争力が明確になっています。転職や就活を検討する際には、これらの情報を基に自分に合った企業を選ぶ参考にしてください。

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